SA1NTコーチ【マイク】が教える|ランナーの健康科学⑤ オーバートレーニングのサインと休む勇気

「もっと練習すれば速くなる」とは限らない

多くのランナーは、努力すればするほど結果が出ると考えがちです。

もちろん、継続的なトレーニングはパフォーマンス向上に不可欠です。

しかし、トレーニングには「適量」があります。

薬と同じように、少なすぎれば効果は出ませんが、多すぎれば副作用が起こります。

その代表例がオーバートレーニングです。

頑張りすぎることが、かえって速くなれない最大の原因になることがあります。


こんな疑問を解消します

  • オーバートレーニングとは何か?
  • 頑張っているのに伸びないのはなぜか?
  • 疲労とオーバートレーニングの違いは?
  • どうすれば予防できるのか?

オーバートレーニングとは何か

オーバートレーニングとは、トレーニングによる負荷が、体の回復能力を長期間上回ってしまった状態です。

一時的な疲労とは異なり、数週間から数か月にわたりパフォーマンスが低下することがあります。

走っても走っても調子が上がらず、むしろ以前より遅く感じることも珍しくありません。


機能的オーバーリーチングとの違い

強いトレーニングの後に一時的に疲労が蓄積することは正常です。

これを機能的オーバーリーチングと呼びます。

適切な休養を取れば、以前より高いレベルへ適応することがあります。

しかし、休養が不足したまま負荷を重ね続けると、オーバートレーニングへ進行することがあります。


なぜ頑張りすぎると遅くなるのか

トレーニングは体を壊し、その後の回復で強くなる仕組みです。

壊すばかりで修復の時間が足りなければ、能力は向上しません。

ホルモンバランス、自律神経、免疫機能、筋肉や腱の修復が追いつかなくなります。

結果として、以前と同じ練習でも苦しく感じ、記録が伸びなくなります。


典型的なサイン

  • 慢性的な疲労感
  • 脚の重さ
  • やる気の低下
  • 睡眠の質の悪化
  • 風邪をひきやすい
  • レースや練習の成績低下
  • 気分の落ち込み

これらのサインが続く場合は、練習量よりも回復を優先する必要があります。


心拍数・HRVの変化

オーバートレーニングでは、安静時心拍数の上昇やHRVの低下が見られることがあります。

ただし、すべてのケースで同じ変化が起こるわけではありません。

数字は参考になりますが、最も重要なのは「自分がどう感じているか」です。


回復に必要な期間

軽度の疲労なら数日から1週間程度で回復することがあります。

しかし、本格的なオーバートレーニングになると、数週間から数か月以上かかることもあります。

だからこそ、深刻になる前に気づくことが重要です。


予防するための習慣

  • 十分な睡眠を確保する
  • 食事の質を高める
  • ストレスを管理する
  • 完全休養日を設ける
  • 練習日誌をつける
  • HRVや安静時心拍を確認する
  • 「もっと」より「十分」を意識する

最高のトレーニング計画とは、続けられる計画です。


まとめ

  • オーバートレーニングは回復不足が長期間続いた状態
  • 頑張りすぎるとパフォーマンスは低下する
  • 慢性的な疲労やモチベーション低下は重要なサイン
  • 睡眠・食事・ストレス管理が予防の鍵
  • 休むこともトレーニングの一部

速くなるためには、ただ努力を重ねるだけでは不十分です。

最も重要なのは、努力と回復のバランスを保つことです。

休む勇気を持つことが、長期的には最も大きな成長につながります。


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この記事を書いたコーチ

Mike Trees(7 x マスターズ世界チャンピオン)

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