ロングラン後に疲れて立ち止まるランナー

SA1NTコーチ【マイク】が教える|ロングラン科学③ ロングランでやりがちな失敗5選|速くならない原因と改善方法

SA1NTコーチ【マイク】が教える|ロングラン科学③ ロングランでやりがちな失敗5選|速くならない原因と改善方法

ロングランの失敗を減らすことが、走力向上への近道になる

ロングランは、多くのランナーが取り入れている重要なトレーニングです。

しかし、正しい目的ややり方を理解しないまま続けると、思うように効果が出ないどころか、疲労だけが残ることがあります。

実際、ロングランで伸び悩む人の多くは、努力が足りないのではなく、やり方を少し間違えています。

ここでは、私が現場でよく見てきたロングランの失敗と、その改善方法を整理します。


③ロングランでやりがちな失敗5選|速くならない原因と改善方法

こんな疑問を解消します

  • ロングランをしているのに、なかなか速くならないのはなぜ?
  • ロングランはきついほど効果が高いの?
  • 疲れるだけで終わってしまう原因は?
  • 正しいロングランに修正するには何を見直せばいい?

ロングランで失敗が起きやすい理由

ロングランは「長く走る」という分かりやすいトレーニングである反面、自己流になりやすい特徴があります。

距離を踏めば強くなる、苦しいほど意味がある、止まらず走り切らなければならない。そうした思い込みが、ロングランの本来の効果を弱めてしまいます。

私が特に強調したいのは、ロングランはスピード練習ではなく、長時間の低強度運動によって身体を適応させるトレーニングだということです。

この前提が崩れると、ロングランは一気に「ただ疲れるだけの練習」に変わります。


失敗① 速く走りすぎる

最も多い失敗は、ロングランを速く走りすぎることです。

ロングランの日になると、つい頑張ってしまう人は多くいます。調子が良いと予定より速くなり、仲間と走るとペースを合わせようとして無理をしてしまうこともあります。

しかし、ロングランの基本は会話できるペースです。呼吸が乱れ、会話が難しくなるのであれば、その時点で速すぎます。

速く走りすぎると、脂肪を効率よく使う能力を高めるはずのトレーニングが、糖に強く依存する高負荷の運動に変わってしまいます。

その結果、疲労が大きくなり、翌日以降のトレーニングにも悪影響が出ます。

ロングランでは「遅すぎるかもしれない」と感じるくらいでちょうどいいことが多いのです。


失敗② 距離を伸ばしすぎる

ロングランの価値を距離の長さだけで判断してしまうのも危険です。

長く走ることは重要ですが、週全体のトレーニング量とのバランスが取れていなければ意味がありません。

一般的には、ロングランは週全体の20〜30%程度を目安に考えると、全体の流れを崩しにくくなります。

例えば、週50km走る人が毎週30kmのロングランを入れてしまえば、その1本の負担が大きすぎます。

ロングランは特別な1本ではありますが、週全体の中の一部です。長ければ長いほど良いという発想は、ケガや慢性疲労につながりやすくなります。


失敗③ ロングランをハード練習にしてしまう

ここは多くの人が誤解しやすい部分です。

ロングランは長いので楽ではありません。しかし、長いことと高強度であることは別です。

ロングランは、トレーニング全体で見ると「イージー側」に入るべき練習です。

一方で、インターバルや閾値走のような「ハード練習」は別にあります。

ロングランを毎回ハードにしてしまうと、週の中で低強度のボリュームが不足し、回復しながら積み上げるべき有酸素能力が育ちにくくなります。

長く走る日ほど、冷静に強度を抑える必要があります。


失敗④ 補給と水分を軽視する

ロングランでは、補給や水分を軽視しないことも大切です。

短いイージーランでは問題なくても、時間が長くなると脱水やエネルギー不足が起こりやすくなります。

特に気温が高い日や、発汗量の多い人は注意が必要です。

途中で極端に脚が重くなる、集中力が落ちる、フォームが崩れるといった変化は、単なる根性不足ではなく、補給や水分不足が原因であることも少なくありません。

ロングランは我慢大会ではありません。必要な準備をした上で、最後まで質を保つことが重要です。


失敗⑤ 疲労を無視して続ける

継続が大切なのは事実ですが、疲労を無視して毎回予定通りにこなすことが正解とは限りません。

脚の重さ、睡眠不足、前日の高負荷トレーニングの影響などを無視すると、ロングランの目的がぼやけてしまいます。

本来は低強度で丁寧に積み上げるべき日に、疲労の中で無理に走ることでフォームが崩れ、回復も遅れます。

必要なのは、根性ではなく調整力です。

距離を短くする、ペースを落とす、場合によっては休む。そうした判断も、長く走り続けるためには重要な技術です。


ロングランを成功させるための考え方

ロングランを成功させるために最も大切なのは、「頑張る日」ではなく「積み上げる日」と考えることです。

ロングランの目的は、苦しさを競うことではありません。心肺、筋肉、毛細血管、ミトコンドリア、脂肪代謝といった持久力の基盤を育てることにあります。

そのためには、会話できるペースを守り、週全体の中で適切な距離に設定し、必要な補給を行い、疲労に応じて柔軟に調整することが大切です。

ロングランで成果を出す人は、毎回派手な練習をしている人ではありません。静かに、正しく、継続している人です。


まとめ

ロングランで効果が出ない原因は、努力不足ではなく「少しのズレ」であることが多くあります。

  • 速く走りすぎない
  • 距離を伸ばしすぎない
  • ロングランをハード練習にしない
  • 補給と水分を軽視しない
  • 疲労を無視して続けない

ロングランは、正しいやり方で続けた時にこそ力になります。

頑張りすぎを減らすことが、結果として速くなる近道です。


SA1NTコーチ【マイク】が教える|ロングラン科学① ロングランのやり方|距離・ペース・頻度の正しい決め方

SA1NTコーチ【マイク】が教える|ロングラン科学② ロングランの効果とは?脂肪燃焼と持久力向上の科学


この記事を書いたコーチ

Mike Trees(7 x マスターズ世界チャンピオン)

マイクは、長年コーチとして、またトレーナーとして、また選手として活躍してきた。

インスタグラム@run.nrgにて、難しいスポーツ科学を誰にでも分かりやすいようにアプローチして毎日配信している。だれにでも分かりやすいと好評でフォロワー数45万人。

アジアの暑い気候に適した、非常に機能的なコンプレッションウェアとランニングギアを作りたいという希望を持って、セイントと開発しました。

MIKE TREES から一言;
「私はアスリートとして、コーチとして、そしてスポーツ科学者として、常にスポーツに対するホリスティックなアプローチを取り入れてきました。
トレーニングからレース、リカバリー、そして体への燃料補給に至るまで、手を抜かずに取り組んできました。
卓越性を追求する中で、アスリートが最高のパフォーマンスを発揮できるよう、フィット感の高い機能的なスポーツウェアは必須です。
そうして完成したプロジェクトONEのコンプレッション。皆さんも試してください!

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