ロングラン科学 — Vol.05 / 05|栄養と補給の科学【何を・いつ・どれだけ食べて走るか】
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ロングランの栄養と補給
何を・いつ・どれだけ
食べて走るか
空腹でロングランをするべきか、ゲルを持っていくべきか、水分はどれくらい必要か——これらはすべて「何時間走るか」と「何を鍛えたいか」によって答えが変わる。脂肪燃料適応の科学から、レース本番に向けたグリコーゲン管理まで。Coach Mikeの実践的な補給戦略を解説する。
2つの燃料システム:グリコーゲンと脂肪
人体は主に2つの燃料をエネルギー源として使う——グリコーゲン(糖質)と体脂肪だ。この2つの性質の違いを理解することが、ロングランの補給戦略の基盤になる。
グリコーゲンは筋肉と肝臓に貯蔵され、高強度運動での主要燃料だ。しかし貯蔵量は限られており、約75〜90分の中強度運動で枯渇する。一方、体脂肪は体重70kgの人で約40,000〜50,000kcal相当——理論上、何時間でも走り続けられる量が蓄えられている。問題は「使い方」だ。
「朝食前ロングラン」の科学
Coach Mikeが「できれば朝食前に走る」と推奨するのには、脂肪燃焼適応を最大化する科学的根拠がある。
一夜の絶食後、肝臓のグリコーゲンは約30〜40%低下している。この状態でロングランを開始すると、体は早い段階から脂肪燃料への依存を高めなければならない。これが繰り返されることで、脂肪酸をエネルギーに変換する酵素系(β酸化)が発達し、同じペースでより多くの脂肪を燃料として使えるようになる。
ただしこれは90分以内のLSDに限った話だ。90分を超える場合、または高強度のトレーニングが含まれる日は、事前の補給が必要になる。
私は長いロングランには安全のためにゲルを2本持っていく。しかし実際に使うことはほとんどない。安心感のための保険だ。朝食前に走ることで、体の脂肪燃焼システムを鍛え続ける。
— Coach Mike, run.nrg
走行時間別の補給戦略
電解質
水分補給:脱水は最大のパフォーマンスキラー
体重の2%の脱水でパフォーマンスが最大20%低下することが研究で示されている。ロングランでの水分補給は「喉が渇いたら飲む」では遅い——特に夏場・高温環境では渇きを感じる前にすでに脱水が進んでいる。
一方で「飲みすぎ(過水分補給)」も低ナトリウム血症のリスクを高める。現代のガイドラインは「喉の渇きに応じて飲む(飲みすぎない)」という「渇き駆動型補給(Thirst-Driven Hydration)」を支持している。15〜20分ごとに少量ずつ補給する習慣が、この両極端のリスクを避ける最も実践的な方法だ。
出発前:ランの2〜3時間前に500mlの水を飲む
ランニング中:15〜20分ごとに150〜200ml(喉の渇きに応じて調整)
60分以上:スポーツドリンクまたは塩タブレットでナトリウムを補給
終了後:体重減少量(kg)× 1.5 = 補給すべき水分量(L)
例)1時間のロングランで0.8kg体重が落ちた場合 → 1.2Lを数時間かけて補給する
ランニング前の食事:タイミングと内容
ゲル・補給食の選び方と使い方
新しいゲル・飲料・補給食をレース当日に初めて試すことは絶対に避ける。消化器系の反応は個人差が大きく、ロングランの練習中に必ず試してから本番に臨むこと。特にMaurtenのような高濃度ゲルや、カフェイン入りゲルは、胃腸への影響を事前に確認することが必須だ。
Long Runシリーズ総まとめ——5つの柱
遅く走る生理学(Vol.01)、距離とペースの計算(Vol.02)、心拍ゾーンの理解(Vol.03)、イージーランの80/20(Vol.04)、そして補給戦略(Vol.05)——この5つが揃ったとき、ロングランは単なる「長い練習」から「有酸素システムを根本から変える投資」に変わる。Coach Mikeが50年走り続けて辿り着いた答えは、結局シンプルだ——「遅く走る勇気を持ち、楽しみながら継続する」。それがすべての出発点だ。
着圧や疲労軽減といった機能面は非常に優れているものの、1度の洗濯で縫い目の糸がほつれが生じるなど、耐久性には不安が残る。
ランニングの動きを邪魔せず、とても快適な着心地でした。シンプルな見た目で、普段着にも使えて重宝しています!
足首がしっかりホールドされている感覚があり、足裏のアーチも保持されている気がして走りやすい!