RPE(主観的運動強度)を表示するスポーツウォッチ

SA1NTコーチ【マイク】が教える|ペースと心拍数の科学③ ペースと感覚(RPE)の関係|時計に頼らず走る方法

SA1NTコーチ【マイク】が教える|ペースと心拍数の科学③ ペースと感覚(RPE)の関係|時計に頼らず走る方法

「感覚」で走れるかどうかが、トレーニングの質を決める

多くのランナーは、ペースや心拍数といった「数字」に頼ってトレーニングを行っています。

しかし実際の現場では、同じペースでも日によって感じ方が大きく変わることは珍しくありません。

このズレを理解せずに走り続けると、強度が適切でなくなり、トレーニングの効果は大きく下がります。

そこで重要になるのが、RPE(主観的運動強度)です。


こんな疑問を解消します

  • RPEはどれくらい信頼できる?
  • ペースや心拍数とどちらを優先すべき?
  • どうやって使えばいい?
  • なぜ感覚が重要なのか?

RPEとは何か

RPE(Rate of Perceived Exertion)は、自分が感じている「きつさ」を数値化したものです。

一般的には1〜10で表現されます。

  • RPE 2〜3:楽に会話できる
  • RPE 4〜5:やや呼吸が上がる
  • RPE 6〜7:会話は短文のみ
  • RPE 8〜9:かなりきつい
  • RPE 10:限界

重要なのは、これは単なる感覚ではなく「体の状態を統合した指標」であるということです。


ペース・心拍数とのズレ

同じペースでも、常に同じ負荷になるわけではありません。

例えば:

  • 4:30/kmでも楽な日ときつい日がある
  • 心拍数が同じでも疲労感が違う

これは、体の状態が常に変化しているためです。

ペースは外的指標、心拍数は内的指標ですが、RPEはその両方を統合した「実際の負荷」を表します。


具体例① 気温とRPE

夏場は同じペースでもRPEが大きく上がります。

例えば、普段RPE3で走れるペースでも、気温が高いとRPE5〜6に感じることがあります。

この状態でペースを維持すると、意図せず高強度トレーニングになります。

この場合の正しい判断は:

ペースを落としてRPEを維持すること


具体例② 疲労とRPE

前日のポイント練習や仕事の疲労がある場合、体は回復していません。

この状態で同じペースを維持すると、RPEは自然と上がります。

例えば:

  • 通常RPE3 → 疲労時RPE5

ここで無理にペースを維持すると、回復が遅れ、トレーニング全体の質が下がります。


具体例③ 調子が良い日の錯覚

調子が良い日は、同じペースでも楽に感じます。

このとき多くのランナーはペースを上げてしまいます。

しかしこれは落とし穴です。

本来イージーランであるべき日が、中強度のトレーニングに変わってしまいます。

結果として:

  • 疲労が蓄積する
  • 翌日の質が下がる

調子が良い日ほど、RPEを守ることが重要です。


RPEとトレーニングの使い分け

  • ロングラン → RPE 2〜3(会話可能)
  • イージーラン → RPE 3〜4
  • テンポ走(LT) → RPE 6〜7
  • インターバル → RPE 8〜9

ここで重要なのは、ペースではなく「感覚を基準にすること」です。


実践での判断基準

最もシンプルで正確な判断基準はこれです:

「会話ができるかどうか」

  • 普通に会話できる → 低強度(OK)
  • 短文なら話せる → 中強度
  • 話せない → 高強度

この基準は、どんな環境でも使える最も実用的な方法です。


よくある失敗

  • イージーランが常にRPE5以上
  • ロングランがきつい
  • 毎回「ちょっと頑張る」

これはゾーン3に入り続ける典型的なパターンです。

最も疲労が溜まりやすく、最も伸びにくい状態です。


まとめ

  • RPEは体の状態を最も正確に反映する
  • ペースや心拍数は変動する
  • 感覚で強度をコントロールすることが重要
  • 「会話できるか」が最もシンプルな基準

最終的にパフォーマンスを決めるのは、数字ではなく自分の感覚です。


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この記事を書いたコーチ

Mike Trees(7 x マスターズ世界チャンピオン)

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