バーピー(Burpee)のやり方|WODで疲れにくく速く動くコツ

床への降り方と立ち上がりを効率化し、WOD後半でも止まらないバーピーへ

カテゴリー:Conditioning|Vol.33

執筆・編集:SA1NT JAPAN編集部

専門監修:板谷友弘(UFIT Tony Coach/CrossFit Uninterrupted オーナー兼ヘッドコーチ)

バーピー(Burpee)は、CrossFitで非常によく登場する全身運動です。

立った状態から床へ身体を下ろし、胸を床につけ、そこから立ち上がってジャンプする。

動き自体はシンプルですが、WOD(Workout of the Day)の中で10回、20回、50回と繰り返すと、心拍数が一気に上がり、腕、胸、体幹、脚まで急激に疲れてきます。

特にバーピーが苦手な人ほど、「とにかく速く動こう」「腕の力で起き上がろう」としてしまいがちです。

しかし、WODで必要なのは、1回だけ速いバーピーではありません。

CrossFitのバーピーで大切なのは、「最速の1回」ではなく「疲れても繰り返せる1回」を作ること。
床への降り方、立ち上がり、足の戻し方、呼吸、テンポを効率化すると、WOD後半でも止まりにくくなります。

目次


バーピー(Burpee)とは?

バーピーは、立った状態から床へ身体を下ろし、再び立ち上がってジャンプする全身運動です。

胸、肩、腕、体幹、股関節、脚を使いながら身体を何度も上下させるため、筋力だけではなく心肺にも大きな負荷がかかります。

CrossFitでは、単独でバーピーを行うだけでなく、ランニング、ローイング、バーベル、ダンベル、ボックスジャンプなどと組み合わせてWODに登場します。

そのため、バーピーだけを全力で行って終わりではありません。

次の種目へ動ける状態を残しながら、効率よくバーピーを進めることが重要になります。

バーピーは「筋力勝負」の種目ではありません。
動作の無駄を減らし、呼吸とリズムを維持することで、同じ体力でも動き続けやすくなります。


バーピーの基本動作

まずは通常のバーピーの基本動作を確認します。

  1. 立った状態から床へ手をつく
  2. 脚を後方へ伸ばして身体を床へ下ろす
  3. 胸を床につける
  4. 身体を起こしながら足を前へ戻す
  5. 立ち上がってジャンプする

初心者の場合は、まずこの流れを一つずつ確実に行えるようにします。

ただし、CrossFitのWODではこの動作を何度も繰り返します。

そのため、基本フォームを覚えた後は、一つひとつの動作に必要以上の力を使わないことがポイントになります。


コツ① 床へ降りるときに腕を使いすぎない

バーピーで腕がすぐ疲れてしまう人は、床へ身体を下ろすときに腕を使いすぎている可能性があります。

毎回プッシュアップのように腕で身体を支えながらゆっくり床へ下ろすと、胸、肩、上腕三頭筋をかなり使います。

数回なら問題ありません。

しかし20回、30回と続くWODでは、この小さな負担が大きな疲労になります。

床へ向かって身体をコントロールしながらも、必要以上にブレーキをかけないことが重要です。

POINT|バーピーを腕立て伏せにしない
バーピーでは、床へ下りるために毎回ゆっくり腕立て伏せをする必要はありません。胸や腕だけに負担を集中させず、全身で動作をつなげることがポイントです。


コツ② 腕だけで身体を押し上げない

次に重要なのが、床から立ち上がる動作です。

疲れてくると、腕立て伏せのように胸と腕だけを使って身体全体を押し上げてから、足を前へ戻す人がいます。

この方法では、肩や腕への負担が大きくなります。

効率よく動くためには、上半身を起こす動きと、足を前へ戻す動きを連続させます。

一度完全なプランク姿勢を作り直してから足を前へ移動するのではなく、床から起きる流れを利用して足を身体の下へ戻します。

「胸を起こす → 完全に止まる → 足を戻す」と分けすぎない。
起き上がる動きと足を戻す動きをつなげることで、1回のバーピーをスムーズにできます。


コツ③ 足を戻す位置を安定させる

床から立ち上がるとき、足をどこへ戻すかも重要です。

毎回足を手のすぐ近くまで大きく引きつけると、股関節を深く曲げる必要があり、脚や腹部への負担が大きくなることがあります。

反対に、足が身体から遠すぎる位置へ戻ると、そこから立ち上がるために余計な力が必要になります。

自分が自然に立ち上がれる位置へ、毎回ほぼ同じように足を戻せるように練習します。

これはバーピーの速さだけでなく、リズムを安定させるためにも重要です。

足を戻す位置が毎回違うと、立ち上がり方も毎回変わります。
まずは速さより、「同じ位置へ足を戻す」ことを意識してみてください。


コツ④ 一定のリズムを作る

バーピーは、一定のリズムを作りやすい種目です。

逆に、序盤だけ全力で飛ばして後半に完全に止まると、WOD全体では大きくタイムを失います。

例えば20回のバーピーなら、最初の5回だけ爆発的に速く行うよりも、20回をほぼ同じテンポで動き続けた方が結果的に速く終わることがあります。

自分の中で、

降りる → 胸をつける → 起きる → 足を戻す → ジャンプ

という一定のテンポを作ります。

重要なのは、疲れてもこのテンポが大きく変わらないことです。

WODでは「最速の1回」より「再現できる1回」
1回だけ速くできても、その後止まってしまえば意味がありません。10回、20回と同じ動きを続けられるテンポを作ることが大切です。


コツ⑤ 呼吸を止めない

バーピーでは身体を何度も上下させるため、心拍数が急激に上がります。

特に立ち上がりやジャンプの瞬間に息を止めてしまうと、数回でもかなり苦しく感じます。

「必ずこの瞬間に吸う」「ここで必ず吐く」と細かく決める必要はありません。

それよりも、動作中に呼吸そのものを止めないことが重要です。

苦しくなってきたら、完全に立ち止まる前に少しテンポを落とし、呼吸を整えながら動き続ける方法もあります。


ジャンプとステップの使い分け

バーピーでは、床へ入るときや床から戻るときに、両足を同時に動かす方法と、片足ずつステップする方法があります。

どちらが常に正解というわけではありません。

方法 特徴 向いている場面
両足を同時に動かす 1回の動作を速くしやすい 短いWOD、回数が少ない場面、スピードを出したい場面
片足ずつステップする 1回の速度は落ちるが、心拍をコントロールしやすい 長いWOD、疲労した後半、バーピー回数が多い場面

最初から最後まで同じ方法にこだわる必要はありません。

序盤は両足を使い、苦しくなってきたらステップへ切り替えるなど、WODの長さや自分の体力に合わせて使い分けます。


バーピーでよくある失敗

症状 考えられる原因 修正ポイント
腕がすぐ疲れる 床への降り方や起き上がりで腕を使いすぎている 腕立て伏せのように動作を分けず、全身でつなげる
数回で息が上がる 序盤のペースが速すぎる、呼吸を止めている 最初から維持できるテンポで入り、呼吸を続ける
立ち上がりが遅い 足を戻す位置が毎回違う 自然に立てる位置へ毎回同じように足を戻す
後半で完全に止まる 最初から両足ジャンプで飛ばしすぎている 必要に応じてステップへ切り替える
腰が疲れる 床から起きるときに腰だけを反らせている 胸・体幹・股関節・脚を連動させて起き上がる

WODでバーピーを速くする考え方

WODでバーピーが出たとき、まず確認したいのは総回数と他の種目です。

10回なのか、50回なのか、100回なのかによって、適切なペースは変わります。

回数が少ない場合

比較的高いテンポで進めやすく、両足を同時に動かすことで1回あたりの時間を短くできます。

回数が多い場合

序盤から飛ばしすぎると後半で止まりやすいため、自分が維持できるテンポを優先します。

他の種目で脚が疲れている場合

スラスター、スクワット、デッドリフト、ランニングなどの後は、脚がすでに疲れています。

この状態ではジャンプを大きくしすぎず、必要に応じてステップも使います。

他の種目で腕が疲れている場合

プッシュアップ、HSPU、ベンチプレス系の動作などで上半身が疲れている場合は、床への降り方と立ち上がりで腕を使いすぎないことがさらに重要になります。

バーピー区間だけを速くするのではなく、WOD全体を速くする。
バーピーを全力で終えて次の種目で止まるより、少し余裕を残してそのまま次の種目へ移れる方が、結果として全体のタイムが良くなる場合があります。


HYROXのバーピーブロードジャンプにも応用できる

CrossFitで身につけたバーピーの技術は、HYROXのBurpee Broad Jump(バーピーブロードジャンプ)にも活かすことができます。

HYROXでは、バーピーを行ったあとに前方へジャンプし、それを繰り返しながら進みます。

CrossFitの基本バーピーと共通するのは、

  • 床へ無駄なく降りる
  • 立ち上がりで余計な力を使わない
  • 呼吸を止めない
  • 一定のリズムを維持する

という部分です。

一方、HYROXでは前方へ進み続けるため、ジャンプ幅や脚への負担、その後のランまで含めたペース配分も重要になります。

HYROXでは「一番遠くへ跳ぶ」ことより、「80mを止まらず進めるリズム」が重要。
CrossFitのバーピーで省エネ動作を身につけておくと、HYROXにもつなげやすくなります。

▶ HYROXバーピーブロードジャンプ攻略法|80mを速く進むフォーム・リズム・レース戦略を見る


バーピーのバリエーションを知りたい人へ|上級編

ここまで紹介した基本のバーピーが安定してきたら、次はバーピーのさまざまなバリエーションにも挑戦してみましょう。

CrossFitでは、トレーニングの目的やWODによって、通常のバーピー以外にもさまざまな種類が使われます。

「基本のバーピーはできるようになったので、もっと種類を知りたい」「バーピーを使ったトレーニングの幅を広げたい」という方は、TONYコーチのこちらの動画をご覧ください。

TONYコーチ動画|バーピートレーニングのやり方・種類・効果

上級編|バーピーのバリエーション
基本のバーピーを安定して行えるようになったら、目的に合わせてさまざまな種類へ発展させることができます。まず基本の動きを身につけ、そのうえでトレーニングの幅を広げていきましょう。

バーピーは種類を増やすこと自体が目的ではありません。

まず通常のバーピーで、床への降り方、立ち上がり、呼吸、一定のリズムを身につけます。

その基本ができてからバリエーションへ進むことで、それぞれのトレーニングの目的を理解しやすくなります。


よくある質問

バーピーが1回でもきついのですが、どう練習すればいいですか?

最初から速く行う必要はありません。床へ手をつく、足を後ろへ出す、胸を床につける、足を戻す、立ち上がるという動作を一つずつ確認します。慣れてきたら少しずつ動作をつなげていきましょう。

バーピーで腕がすぐ疲れるのはなぜですか?

床へ降りるときに腕で身体をゆっくり支えすぎている、または床から起きるときに腕立て伏せのように上半身だけで身体を押し上げている可能性があります。腕だけでなく全身の動きをつなげることが重要です。

バーピーを速くするには何を練習すればいいですか?

まず床への降り方、立ち上がり、足を戻す位置を安定させます。その後、一定のテンポで5回、10回と続ける練習を行い、途中で動作が大きく変わらないか確認します。

バーピーは両足でジャンプした方がいいですか?

短いWODや回数が少ない場合は両足を同時に動かすと速く進みやすいですが、長いWODでは心拍が上がりすぎることがあります。疲労したら片足ずつステップする方法も有効です。

バーピーで息がすぐ上がります。

身体を上下させる全身運動なので心拍数は上がりやすいですが、序盤のペースが速すぎたり、動作中に呼吸を止めていたりするとさらに苦しくなります。少しテンポを落としてでも、呼吸を続けながら動くことを意識してみてください。

バーピーで腰が疲れるのはなぜですか?

床から起きるときに腰だけを反らせている、体幹が抜けている、足を戻す位置が遠すぎるなどが考えられます。胸、体幹、股関節、脚を連動させて立ち上がることを意識します。

CrossFitとHYROXのバーピーは同じですか?

基本となる床への降り方や立ち上がりには共通点がありますが、HYROXではBurpee Broad Jumpとして前方へジャンプしながら進みます。そのため、ジャンプ幅や80mを通したリズム、その後のランまで考える必要があります。

バーピーにはどんな種類がありますか?

通常のバーピー以外にも、トレーニングの目的やCrossFitのWODによってさまざまなバリエーションがあります。基本動作を身につけた方は、本記事後半のTONYコーチによる上級編動画で種類と使い方を確認してみてください。


まとめ|バーピーは「頑張る」より無駄を減らす

  1. バーピーは全身を使うため心拍が上がりやすい
  2. 床へ降りるときに腕で身体を支えすぎない
  3. 床から腕だけで身体を押し上げない
  4. 起き上がりと足を戻す動作をつなげる
  5. 足を毎回ほぼ同じ位置へ戻す
  6. 最速の1回より、繰り返せる1回を作る
  7. 長いWODではステップも使う
  8. 動作中に呼吸を止めない
  9. バーピーだけでなく次の種目まで考えてペースを決める
  10. 基本ができたらバリエーションへ進む

バーピーは、誰でもできるシンプルな動きに見えます。

しかしCrossFitでは、他の種目で疲れた状態から何十回も繰り返すため、非常に奥の深い動きです。

速くしようとして力を入れすぎるのではなく、まず「どこで無駄な力を使っているか」を確認してみてください。

床への降り方、起き上がり、足の位置、呼吸、リズム。

この一つひとつを改善するだけでも、WOD後半のバーピーは大きく変わります。

バーピーが上手い人ほど、1回1回を力任せに行いません。同じ動きを効率よく繰り返せることが、速くて疲れにくいバーピーにつながります。

次に読む記事

▶ クロスフィット完全ガイド・全51記事を見る

参考動画



本記事はSA1NT JAPAN編集部が企画・調査・執筆し、CrossFit Uninterruptedのオーナー兼ヘッドコーチである板谷友弘氏の専門監修を受けて作成しています。


参考資料


この記事はSA1NT JAPAN編集部が作成し、CrossFit Uninterruptedヘッドコーチであり、HYROX競技にも挑戦している板谷友弘氏の監修を受けています。

専門監修

板谷友弘(UFIT Tony Coach/CrossFit Uninterrupted オーナー兼ヘッドコーチ)

板谷友弘(いたや ともひろ)氏は、日本を代表するクロスフィットアスリートであり、世界最高峰の舞台であるCrossFit Gamesに出場。2021年にはCrossFit GamesのMen 35–39部門で世界15位。さらに2026年には、40歳以上の世界トップ選手が競うMasters CrossFit GamesのMen 40–44部門に出場し、世界29位を記録しました。2026年、日本人として世界最高峰の舞台に立ったのは彼1人のみです。

また近年はHYROX競技にも積極的に取り組み、本格的なランニング競技経験がない中、HYROX大阪大会では総合3位・日本人選手2位に輝きました。

CrossFit Gamesという世界最高峰の舞台を選手として経験し、現在も現役アスリートとして挑戦を続けながら、世界レベルの競技経験と、CrossFitとHYROXの両方を深く理解する数少ない日本人コーチとして数多くのアスリートを指導してきた経験を活かし、本記事の監修を担当しています。

板谷友弘コーチ UFIT Tony Coach

TONYコーチ監修ポイント:

バーピーは、速くやろうとして腕や脚に力を入れすぎるほど疲れやすくなります。まず床への降り方、立ち上がり、足を戻す位置を安定させて、同じ動きを一定のリズムで続けられるように練習してみてください。WODでは最初から飛ばしすぎず、回数や他の種目に合わせてペースを変えることも重要です。基本のバーピーが安定してから、さまざまなバリエーションへ進んでいきましょう。

トニーコーチの情報はこちらから↓
🌐 CrossFit Uninterrupted

Instagramトニーコーチ Instagram InstagramUFITジム Instagram YouTubeトニーコーチ YouTube

← メディア一覧に戻る