WOD(Workout of the Day)とは?クロスフィット初心者向け用語集

ボックス(Box)で飛び交う略語を、初回クラスの前にまとめて理解する

カテゴリー:入門|Vol.02

執筆・編集:SA1NT JAPAN編集部

専門監修:板谷友弘(UFIT Tony Coach/CrossFit Uninterrupted オーナー兼ヘッドコーチ)

クロスフィットを始めると、ホワイトボードに見慣れない英語や略語が並んでいることがあります。

初回クラスでは、動作を覚えるだけでも精いっぱいです。そこへ専門用語が加わると、「何回やればいいのか」「いつ休めばいいのか」「自分はどのレベルを選べばいいのか」が分からなくなることがあります。

ただし、最初からすべてわかる必要はありません。まずは、その日のワークアウトの形式、自分が行う動作、スコアの付け方が分かれば十分です。

先に結論:
初心者が最初に理解したいのは、WODの形式、自分が選ぶレベル、回数とスコアの読み方です。分からない用語があれば、開始前にコーチへ確認してください。用語を知っていることより、ワークアウトの目的と自分に合うやり方を理解することの方が重要です。

この記事では、クロスフィットのクラスや大会でよく使われる用語を、初心者向けにカテゴリー別で解説します。


目次


WODの基本

WOD(Workout of the day 今日のワークアウト) は、その日のワークアウトを意味します。クラス全体の名前ではなく、通常はウォームアップ、技術練習、筋力トレーニングなどを行った後に実施するメインワークアウトを指します

WODは毎日同じではありません。動作、重量、回数、時間、組み合わせが変わります。クロスフィット公式も、WODをその日に割り当てられたワークアウトとして説明しています。

今日のWOD:10分間で可能な限り多くのラウンドを行ってみよう:

1ラウンド↓

  • リングロー(Ring Row)5回
  • エアスクワット(Air Squat)10回
  • 200mラン

この場合、10分間で完了したラウンド数と最後のラウンドで終わらなかった個々の種目の合計回数を記録します。3ラウンドとリングロー3回で10分間が終わった場合は、今日のスコア:3ラウンド+3REP(レップ)など

同じWODでも、経験者と初心者がまったく同じ重量や動作を行う必要はありません。コーチが、その日の目的を保ちながら内容を調整します。

関連記事:クロスフィットとは?初心者向けに特徴・効果・始め方を解説


ワークアウト形式の用語

アムラップ(AMRAP)

As Many Rounds or Reps As Possibleの略です。決められた時間内に、可能な限り多くのラウンドまたは回数を行います。

例えば「12分アムラップ」と書かれていれば、12分間動き続け、完了したラウンド数と追加回数を記録します。

最初から全力で飛ばしすぎると後半に止まりやすいため、一定のペースを維持することが重要です。

イーモム(EMOM)

Every Minute on the Minuteの略です。毎分の開始時に、指定された回数や動作を行います。

例えば「10分イーモム:毎分バーピー(Burpee)8回」の場合、各分の最初に8回行い、残った時間が休憩です。40秒で終われば20秒休めます。

指定回数が1分以内に終わらない場合は、回数や動作を調整する必要があります。

フォータイム(For Time)

指定されたすべての動作と回数を、完了するまでの時間で競う形式です。

速く終えることが目標ですが、フォームを崩したり、前半で消耗しすぎたりすると、結果的に遅くなります。

チッパー(Chipper)

一つの種目の指定回数を終えてから、次の種目へ進む形式です。通常は複数の種目を順番に「削っていく」ように完了します。

総回数が多くなることがあるため、序盤から大きすぎるセットで進めないことが重要です。

ラウンズ・フォー・タイム(Rounds for Time/RFT)

複数の種目を1ラウンドとして、指定されたラウンド数を終えるまでの時間を記録します。

「5 RFT」と書かれていれば、指定された組み合わせを5周します。

タイムキャップ(Time Cap)

ワークアウトを行える制限時間です。WOD(本日のワークアウト)を制限時間までに完了しなかった場合は、終了時点の回数や進行位置をスコアとして記録します。

例えば、先ほどWODで出てきた【1ラウンド(リングロー(Ring Row)5回・エアスクワット(Air Squat)10回・200mラン)】x5ラウンド、タイムキャップ10分間。

とコーチが言った時、そのWODは【5RFT・Time cap 10分間】となります。

10分間に5ラウンド終了すれば、終わった時のタイムを記録します。

しかし、もしもこのWODをこなしているうちに、4ラウンドとエアスクワット3回で10分間経過した場合は、記録は4R+8となります。タイムキャップを過ぎてワークアウトを続ける必要はありません。みんなが同時にWODを終わらせます。

コツとしては、初心者が大幅に時間を超える設定で続けるより、制限時間内で狙った刺激を得られるように調整する方が適切です。

カプレット(Couplet)とトリプレット(Triplet)

カプレットは2種類、トリプレットは3種類の動作を組み合わせたワークアウトです。

種目数が少なくても簡単とは限りません。同じ筋群を繰り返し使う組み合わせでは、強い疲労が生じることがあります。

関連記事:アムラップAMRAP・イーモムEMOM・フォータイムFOR TIME・チッパーの違い


回数・スコア・記録の用語

用語 意味 初心者向けポイント
レップ(Rep) 1回の反復動作です。10レップなら10回行います。 動作基準を満たした回数だけを数えます。
ラウンド(Round) 指定された一連の種目を1周することです。 ラウンドとレップを分けて記録します。
スコア(Score) タイム、回数、ラウンド数、重量などの結果です。 使用重量やスケール内容も一緒に記録します。
ノーレップ(No Rep) 動作基準を満たさず、回数として認められないことです。 速さより先に、開始位置と終了位置を確認します。
タイブレーク(Tiebreak) 同じスコアの選手を順位付けするための途中経過時間です。 主に大会やオンライン競技で使われます。
パーソナルレコード(Personal Record/PR) 自分の過去最高記録です。 重量だけでなく、WODタイムや回数にも使います。
レップマックス(Rep Max/RM) 指定回数で扱える最大重量です。 1RMは1回、3RMは3回できる最大重量です。

記録するときの例:
「12:35、35kg、プルアップ(Pull-up)はリングローへ変更」のように、タイムだけでなく重量と変更内容も残すと、次回正しく比較できます。


レベルとスケーリングの用語

アールエックス(Rx'd/Rx)

As Prescribed、つまり「指定どおり」という意味です。掲示された重量、回数、動作を変更せずに行った場合に使います。

RX(アールエックス)は、初心者が必ず目指すべき最低基準ではありません。クロスフィット公式も、RX版はジム内の最も高い能力を持つ選手へ挑戦を与える設定で、多くの参加者は調整すると説明しています。

スケール(Scaled)

重量、回数、動作、距離、可動域などを調整したバージョンです。

大会では、RXとは別の部門として明確な動作と重量が指定される場合があります。通常のクラスでは、一人ひとりに合わせた調整全般を指すこともあります。

ファウンデーション・基礎(Foundations)

クロスフィット・オープン(CrossFit Open)などで用意される、より基本的な動作を中心としたレベルです。

大会年度によって内容や条件が変わるため、参加時はその年の公式ルールとワークアウト説明を確認します。

スケーリング(Scaling)/モディファイ(Modify)

ワークアウトを、その人の体力、経験、可動域、怪我、技術に合わせて調整することです。

調整は「楽にすること」ではなく、ワークアウトが本来狙っている時間、動作の質、疲労の種類を保つために行います。

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クラス内で使う用語

用語 意味
アフィリエイト(Affiliate) クロスフィット本部と提携して運営される独立したジムです。フランチャイズではなく、各施設が独立して運営されています。
ホワイトボードブリーフ(Whiteboard Brief) クラス開始時に、コーチがその日の目的、動作、スコア、スケーリングを説明する時間です。
ウォームアップ(Warm-up) 身体を温め、その日の動作に必要な関節や筋肉を準備する時間です。
スキル(Skill) クリーン(Clean)、逆立ち、ダブルアンダーなど、特定動作の技術を練習する時間です。
ストレングス(Strength) スクワット、デッドリフト、プレスなどで筋力を高めるトレーニングです。
メトコン(Metcon) メタボリック・コンディショニング(Metabolic Conditioning)の略で、心肺能力や筋持久力などを鍛えるワークアウトを指します。
モビリティ(Mobility) 関節を必要な範囲で安定して動かす能力や、その改善練習です。
オンランプ(On-ramp) 初心者が基本動作やクラスの流れを学ぶ導入プログラムです。名称や内容はジムによって異なります。

クロスフィット公式によると、一般的なクラスでは、最初にホワイトボードで内容を説明し、ウォームアップ、技術練習、ワークアウト準備、WODという流れで進みます。

関連記事:クロスフィットの1時間クラスは何をする?


動作名と器具の略語

ホワイトボードでは、長い動作名を短い略語で表すことがあります。ジムごとに表記が多少異なるため、分からない場合は必ず確認してください。

略語 正式名称 主な意味・使い方
AS エアスクワット 自重で行う基本スクワット
FS フロントスクワット(Front Squat) バーを身体の前側で保持するスクワット
BS バックスクワット(Back Squat) バーを背中側で保持するスクワット
OHS オーバーヘッドスクワット(Overhead Squat) バーを頭上で支えて行うスクワット
DL デッドリフト(Deadlift) 床から重量を持ち上げる動作
C&J クリーン・アンド・ジャーク(Clean and Jerk) 床から肩、肩から頭上へ運ぶ動作
T2B トーズ・トゥ・バー(Toes to Bar) ぶら下がって足先をバーへ触れる動作
C2B チェスト・トゥ・バープルアップ(Chest to Bar Pull-up) 胸をバーへ接触させるプルアップ
BMU バーマッスルアップ(Bar Muscle-up) 鉄棒上へ身体を引き上げる動作
RMU リングマッスルアップ(Ring Muscle-up) リング上へ身体を引き上げる動作
HSPU ハンドスタンドプッシュアップ(Handstand Push-up) 倒立姿勢で行うプッシュアップ
DU ダブルアンダー(Double-under) 1回のジャンプでロープを2回通す二重跳び
SU シングルアンダー(Single-under) 通常の縄跳び
WB/WBS ウォールボールショット(Wall-ball Shot) スクワットからボールを目標へ投げる動作
KB ケトルベル(Kettlebell) 取っ手の付いた球状のウェイト
DB ダンベル(Dumbbell) 片手で扱えるウェイト
BB バーベル(Barbell) 両手で扱う長いバーとプレート

注意:
略語はジムや大会によって違う場合があります。特に「WB」「WBS」「MU」などは、掲示された動作説明やコーチの説明を確認してください。


ホワイトボードの読み方

実際のホワイトボードを例に、一行ずつ読み解いてみます。

STRENGTH

Back Squat
5 × 5 @ 70%

WOD

12-min AMRAP

  • 10 Wall-ball Shots
  • 8 Toes to Bar
  • 200m Run

SCORE
Rounds + Reps

1.ストレングス

バックスクワットを5回×5セット行います。「@70%」は、通常、自分の1RM(1レップマックス-1回だけあげられる最大重量)の70%を目安にするという意味です。

2.WOD

12分間のAMRAP(アムラップ)です。ウォールボールショット10回、Toes to barトーズ・トゥ・バー8回、200mランを繰り返します。

3.スコア

完了したラウンド数と、次のラウンドで追加できた回数(レップ)を記録します。

例えば、5ラウンドを終え、6ラウンド目のウォールボールを7回行った場合は、5ラウンド+7レップです。

4.初心者の調整例

  • ウォールボールの重量を下げる
  • トーズ・トゥ・バーをニーアップまたはシットアップ(腹筋)へ変更する
  • 200mランを短くする、またはローイングへ変更する

どの変更が適切かは、その日の狙いによって変わります。自分だけで決めず、コーチと相談してください。


初心者は?

用語を全部覚えなくていい!

暗記してから始める必要はありません。用語はクラスへ参加する中で自然に覚えられます。

RXが「正解」と思わないで!

RX(アールエックス)は、全員が行う標準ではありません。無理に選ぶと、動作が崩れ、ワークアウトの目的から外れる場合があります。

WODはざっくり今日の練習!ではありません。

WODはクラスの一部分です。通常は説明、ウォームアップ、技術練習、準備を行ってからメインとして実施しるものを指します。

略語だけを見て動作を推測しないで!

同じ略語でも施設によって意味が異なる場合があります。コーチの説明、ホワイトボードブリーフを聞き、不明点を確認してください。

スコアだけを記録するのではなくて、メモも追加しよう!

自分のスコアをつけると、将来と今の自分を比べるのに役に立ちます。重量、動作変更、器具の高さ、その時のフィーリングなども記録すると、次回の比較が正確になります。


よくある質問

WODは毎日必ず高強度ですか?

その日の目的や個人の状態に応じて強度は変わります。重量やペースは相対的であり、フォーム、経験、疲労に合わせて調整します。

AMRAP(アムラップ)では休んではいけませんか?

必要に応じて休めます。ただし、長時間完全に止まるのではなく、短い休憩を計画的に入れて動き続けることが一般的です。

EMOM(イーモム)で1分以内に終わらない場合は?

回数、重量、動作を調整します。毎分の課題が常に60秒を超える場合、その設定は目的に合っていない可能性があります。

RX(アールエックス)でできないと記録になりませんか?

通常のトレーニングでは、スケールした内容も重要な記録です。変更した動作や重量を残せば、次回の成長を比較できます。

用語が分からないままクラスが始まりそうなときは?

必ず開始前にコーチへ質問してください。クロスフィット公式も、最初のクラスではコーチが用語や略語を説明することを前提としています。


まとめ|最初は8つの用語が分かれば十分

クロスフィットには独特の用語がありますが、初心者が最初からすべて覚える必要はありません。

まずは次の8つを理解してください。

  1. WOD
  2. AMRAP アムラップ
  3. EMOM イーモム
  4. For Time フォータイム
  5. RX アールエックス
  6. Scaled スケール
  7. Rep レップ
  8. ラウンド

そのうえで、次の3点をクラス開始前に確認します。

  • 今日は何分、または何ラウンド行うのか
  • 自分はどの動作と重量で行うのか
  • スコアをどのように記録するのか

用語を覚えること自体が目的ではありません。用語を理解することで、コーチの説明を正しく受け取り、安全に、目的に合ったワークアウトを行えるようになることが大切です。


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参考資料



本記事はSA1NT JAPAN編集部が企画・調査・執筆し、CrossFit Uninterruptedのオーナー兼ヘッドコーチである板谷友弘氏の専門監修を受けて作成しています。

この記事はSA1NT JAPAN編集部が作成し、CrossFit Uninterruptedヘッドコーチであり、HYROX競技にも挑戦している板谷友弘氏の監修を受けています。

専門監修

板谷友弘(UFIT Tony Coach/CrossFit Uninterrupted オーナー兼ヘッドコーチ)

板谷友弘(いたや ともひろ)氏は、日本を代表するクロスフィットアスリートであり、世界最高峰の舞台であるCrossFit Gamesに出場。2021年にはCrossFit GamesのMen 35–39部門で世界15位。さらに2026年には、40歳以上の世界トップ選手が競うMasters CrossFit GamesのMen 40–44部門に出場し、世界29位を記録しました。2026年、日本人として世界最高峰の舞台に立ったのは彼1人のみです。

また近年はHYROX競技にも積極的に取り組み、本格的なランニング競技経験がない中、HYROX大阪大会では総合3位・日本人選手2位に輝きました。

CrossFit Gamesという世界最高峰の舞台を選手として経験し、現在も現役アスリートとして挑戦を続けながら、世界レベルの競技経験と、CrossFitとHYROXの両方を深く理解する数少ない日本人コーチとして数多くのアスリートを指導してきた経験を活かし、本記事の監修を担当しています。

板谷友弘コーチ UFIT Tony Coach

板谷友弘(いたや ともひろ)氏は、クロスフィット・ゲームズ(CrossFit Games)への出場経験を持つ日本人クロスフィットアスリートです。

現在はCrossFit Uninterruptedのオーナー兼ヘッドコーチとして、競技者から運動初心者まで幅広く指導しています。また、近年はハイロックス(HYROX)にも挑戦し、クロスフィットで培った筋力、持久力、動作技術、競技戦略を実践しています。

選手として世界大会を経験し、コーチとして多くの会員や競技者を指導してきた知識をもとに、本記事の用語、クラスでの使われ方、初心者向けの解説を監修しています。

TONYコーチ監修ポイント:

初心者は、用語を全部覚える必要はありません。ホワイトボードを見たときに、時間、回数、自分が行う動作の3つが分かれば、まずは十分です。分からない言葉をそのままにせず、クラスが始まる前にコーチへ確認してください。

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