SA1NTコーチ【マイク】が教える|リカバリー①「トレーニングは身体を弱くする」
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多くのランナーは、「もっと練習すれば強くなれる」と考えています。
もちろん、トレーニングは重要です。
しかし Coach Mike は、長年の競技経験とコーチ経験の中で、あることを何度も見てきました。
頑張りすぎるランナーほど、伸び悩みや怪我に苦しみやすいということです。
特に真面目なランナーほど、「休むこと」に不安を感じます。
脚が重くても走る。
疲れていても走る。
イージーランの日なのに、なぜかペースを上げてしまう。
しかし、本当に強くなるランナーは、ただ頑張る人ではありません。
回復できるランナーです。
Coach Mike が何度も伝えている言葉があります。
「トレーニングは身体を弱くする」
一見すると矛盾しているように聞こえるかもしれません。
しかし、この考え方こそが、リカバリーを理解する上で最も重要なポイントです。
目次
なぜ「トレーニングは身体を弱くする」のか
多くの人は、「トレーニング=身体を強くするもの」と考えています。
しかし実際には、ハードな練習をした直後の身体は、ダメージを受けています。
ランニングをすると筋肉には小さな損傷が起こります。
スピード練習では神経系にも大きな負荷がかかります。
長時間のトレーニングでは、エネルギーも消耗し、炎症も起こります。
つまり、トレーニング直後の身体は、一時的に疲労し、弱くなっている状態です。
だから Coach Mike は、
「トレーニングは身体を弱くする」
という表現を使います。
もちろん、トレーニングそのものが悪いという意味ではありません。
重要なのは、その後にどれだけ回復できるかです。
トレーニングで身体を壊し、回復で作り直す。
このサイクルがなければ、身体は強くなりません。
強くなるのは回復している時
身体が本当に強くなるのは、トレーニング中ではありません。
睡眠を取っている時。
栄養を補給している時。
疲労を抜いている時。
その時間の中で、身体は修復され、適応していきます。
これが、いわゆる supercompensation(超回復)の考え方です。
しかし、回復が足りないまま次の練習を繰り返すと、身体は修復される前に再び壊されてしまいます。
その結果、
- 疲労が抜けない
- フォームが崩れる
- 脚が重い
- タイムが伸びない
- 怪我を繰り返す
という状態になりやすくなります。
つまり、強くなるためには「良い練習」だけでは足りません。
良い回復が必要です。
イージーランを速く走ってしまう理由
多くのランナーは、「今日はイージーで行こう」と思いながら走り始めます。
しかし、気づけばペースがどんどん上がっている。
GPSウォッチを見る。
Strava に遅いペースを残したくない。
他のランナーに抜かれたくない。
「今日は調子がいいから少し上げても大丈夫」
そうやって、結局また身体を疲れさせてしまいます。
Coach Mike は、こうしたランナーを何度も見てきました。
イージーランの日にまで頑張ってしまうと、身体は回復する時間を失います。
その結果、本当に頑張るべきハードセッションの日に、良いパフォーマンスが出せなくなります。
Coach Mike がよく言うように、
「イージーランは、遅すぎるくらいでいい」
のです。
呼吸が楽で、会話できるペース。
身体にストレスをかけすぎないペース。
それで十分です。
イージーランの目的は、「鍛えること」ではなく、回復しながら動くことだからです。
Coach Mike自身の失敗
Coach Mike 自身も、若い頃は「もっとやれば強くなれる」と考えていました。
特に Ironman 時代は、長時間トレーニングを続け、疲れていても休まず練習していた時期がありました。
「もっと距離を増やせば強くなる」
「もっと頑張れば結果が出る」
そう信じていたのです。
しかし、実際には疲労が抜けず、脚は常に重く、フォームも崩れていました。
後になって振り返ると、問題は「練習不足」ではありませんでした。
回復不足だったのです。
そこから Coach Mike は、単純な練習量だけではなく、リカバリーの重要性を強く意識するようになりました。
特に年齢を重ねるほど、「どれだけ頑張れるか」ではなく、「どれだけ回復できるか」が重要になります。
回復不足で起こる“見えない疲労”
回復不足は、いきなり怪我として現れるわけではありません。
最初は小さなサインとして現れます。
- 朝から疲れている
- 脚が重い
- 寝つきが悪い
- イライラする
- 集中できない
- 普段のペースがきつい
- やる気が出ない
こうした状態は、筋肉だけではなく、神経系にも疲労が溜まっている可能性があります。
特に現代人は、仕事、スマホ、睡眠不足、ストレスなど、トレーニング以外でも神経系に負荷を受けています。
だからこそ、単純に「もっと頑張る」だけでは逆効果になることがあります。
年齢を重ねるほどリカバリーが重要になる
若い頃は、多少無理をしても回復できることがあります。
夜更かししても走れる。
連続でハードにやっても何とかなる。
しかし40代、50代と年齢を重ねると、身体は少しずつ変化します。
- 疲労が抜けにくい
- 睡眠不足の影響が大きい
- 筋肉が硬くなる
- 炎症が長引く
- 回復に時間がかかる
多くのマスターズランナーは、「若い頃の自分」と戦ってしまいます。
昔の練習量。
昔のタイム。
昔の感覚。
しかし、身体は変化しています。
だからこそ必要なのは、
もっと頑張ることではなく、より賢く回復すること
です。
回復もトレーニングの一部
Coach Mike の考え方では、リカバリーは「何もしない時間」ではありません。
次のトレーニングを成功させるための準備です。
つまり、回復まで含めて、初めてトレーニングは完成します。
だから、
- しっかり寝ること
- 疲れている日は抑えること
- イージーランを本当にイージーにすること
- 必要なら休むこと
も、立派なトレーニングです。
頑張るだけでは、長く走り続けることはできません。
回復できるランナーこそ、最終的に強くなります。
まとめ
トレーニングは身体に負荷をかけます。
その瞬間、身体は一時的に弱くなります。
しかし、その後に十分な回復があることで、身体は修復され、以前よりも強く適応していきます。
Coach Mike が伝えたいのは、次のポイントです。
- トレーニングだけでは強くならない
- 強くなるのは回復している時
- イージーランは本当にイージーにする
- 疲労サインを無視しない
- 回復もトレーニングの一部である
速くなるためには、ただ頑張るだけでは足りません。
回復する能力も、競技力の一部です。
そして、長く走り続けるランナーほど、その重要性を理解しています。
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この記事を書いたコーチ
Mike Trees(7×マスターズ世界チャンピオン)
長年にわたりコーチ、トレーナー、そしてアスリートとして活躍。スポーツ科学の知見と実戦経験を融合させ、ランニングパフォーマンス向上に取り組んできた。
アジアの高温多湿な環境に適した、高機能なコンプレッションウェアとランニングギアの必要性を感じ、SA1NTと共にプロダクト開発を行っている。
Mike Treesからのメッセージ
「私はアスリートとして、コーチとして、そしてスポーツ科学者として、常にスポーツに対するホリスティックなアプローチを取り入れてきました。トレーニング、レース、リカバリー、栄養、そして身体のケア。そのすべてが、長く走り続けるために重要です。」
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