SA1NTコーチ【マイク】が教える|ランナーの習慣作り① ウォームアップ不足は損!
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COACH MIKE — ランナーの習慣作り|①/04
ウォームアップは、ただ身体を温めるだけの時間ではありません。その日の練習を安全に始め、狙った動きを出し、怪我のリスクを減らすための準備です。Coachマイクの考え方をもとに、年齢・気温・練習内容・レース距離に合わせたウォームアップの作り方を整理します。
目次
ウォームアップは「走る前の準備」であって、余計な作業ではない
ランナーの中には、ウォームアップを省略してすぐに走り出す人が少なくありません。時間がない日や、軽いジョグのつもりの日ほど、「とりあえず走れば身体は温まる」と考えがちです。
もちろん、すべてのランに長いアップが必要なわけではありません。ゆっくりした短いジョグなら、最初の数分をかなり軽く入るだけでも十分な場合があります。
ただし、ポイント練習やレースの前は別です。
インターバル、テンポ走、坂ダッシュ、5kmや10kmのレースのように、最初からある程度のスピードや力を出す必要がある場面では、身体が準備できていないまま始めると、狙った動きが出にくくなります。
Coachマイクは、ウォームアップを「身体を走る状態に切り替える時間」と考えています。
筋肉を温めるだけでなく、心拍数を少しずつ上げ、関節を動かし、神経系を目覚めさせ、走るリズムを作っていく。そうすることで、本練習に入った時に、最初から無理なく動ける状態に近づきます。
大切なのは、ウォームアップを難しく考えすぎないことです。
特別な道具も、複雑なメニューも必要ありません。軽く走り、身体を動かし、少しだけレースや練習のペースに近い動きを入れる。それだけでも、走り出しの感覚は大きく変わります。
Coachマイクがよく使うウォームアップの流れ
Coachマイクが好むウォームアップは、とてもシンプルです。
まず、軽いジョグから始めます。身体を急に動かすのではなく、会話できるくらいのペースで走り、少しずつ呼吸と脚の動きを合わせていきます。
その後、ランジやスキップ、ハイニー、バットキックなど、走る動きに近いダイナミックな動きを入れます。ここで大事なのは、筋肉を無理に伸ばすことではなく、走る時に使う可動域を自然に出していくことです。
最後に、短い流しを入れます。50m前後を数本、練習やレースで使いたいペースに近づけながら走り、歩いて戻って呼吸を整えます。
例えば、ポイント練習前なら次のような流れで十分です。
- 10〜20分の軽いジョグ
- ランジ、スキップ、ハイニーなどの動的ドリル
- 50m前後の流しを4〜6本
- 身体が冷えないように軽く動きながら本練習へ入る
Coachマイク自身は、しっかり走る日の前に20分ほどジョグをしてから、レースペースに近い動きを数本入れることがあります。
ただし、これはあくまで一つの例です。すべてのランナーが同じ時間、同じ本数をやる必要はありません。大事なのは、自分の身体がどのくらいで動き出すのかを知ることです。
気温によってウォームアップは変える
ウォームアップの長さは、気温によって変わります。
暑い日は、身体が早く温まりやすいため、長く走りすぎると本練習やレースの前に疲れてしまうことがあります。特に夏場は、アップの段階で汗をかきすぎると、脱水や体温上昇のリスクも出てきます。
そのため、暑い日は短めのジョグと軽い動的ドリルで十分な場合があります。5分程度のジョグで身体が動き始めることもあります。
一方、寒い日はまったく違います。
冬の朝や風が強い日は、筋肉や腱が硬くなりやすく、身体が温まるまでに時間がかかります。こういう日にいきなり速く走ると、ふくらはぎ、ハムストリング、アキレス腱に負担がかかりやすくなります。
寒い日は10〜20分ほどかけて、じっくり身体を温める方が安全です。ジョグの後も、身体が冷えないように立ち止まりすぎず、軽く動きながら本練習やスタートを待つことが大切です。
Coachマイクがよく言うように、一度温めた身体を、スタート前に座り込んで冷やしてしまっては意味がありません。
アップ後は、完全に止まるのではなく、歩いたり、軽く脚を動かしたりして、身体の温度とリズムを保つようにします。
年齢を重ねたランナーほど、急に走り出さない
年齢を重ねると、身体は若い頃ほどすぐには動きません。
これは気持ちの問題ではなく、身体の自然な変化です。筋肉や腱は硬くなりやすく、関節の動きも小さくなりやすい。血流が上がるまでにも少し時間がかかります。
Coachマイクは、年齢を重ねたランナーほどウォームアップを丁寧にするべきだと考えています。
昔と同じ感覚で、いきなり速く走り出すと、身体がまだ準備できていない状態で強い負荷を受けることになります。これが、ふくらはぎの張り、ハムストリングの違和感、アキレス腱の痛みにつながることがあります。
特に注意したいのは、「昔はこれで大丈夫だった」という感覚です。
若い頃に問題なかった習慣が、40代、50代、60代でも同じように通用するとは限りません。だからこそ、走る前に少し余裕を持って身体を確認する時間が必要になります。
年齢を重ねたランナーにとって、ウォームアップはパフォーマンスのためだけではありません。
怪我を防ぎ、練習を継続し、長く走り続けるための保険でもあります。
練習内容とレース距離でアップの量を調整する
ウォームアップは、すべての練習で同じにする必要はありません。
例えば、30分のゆっくりしたジョグなら、最初の5〜10分をかなり楽に走り、徐々に身体を温めていけば十分なことがあります。
一方、インターバルやテンポ走のように、最初からある程度の強度が必要な練習では、事前にしっかり準備しておく必要があります。身体が動いていない状態でいきなり速いペースに入ると、練習の質が落ちるだけでなく、怪我のリスクも上がります。
レースでも同じです。
5kmや10kmのレースでは、スタート直後から比較的高いスピードで走るため、ジョグ、動的ドリル、流しを入れて、身体をレースペースに近づけておくことが大切です。
ハーフマラソンでは、そこまで激しく上げすぎる必要はありませんが、序盤からリズム良く入るための準備は必要です。
マラソンの場合は、少し考え方が変わります。
市民ランナーの場合、42kmの中で最初の数kmをウォームアップのように使うこともできます。スタート前に走りすぎてエネルギーを使うより、最初を少し抑えて入り、身体が自然に動き始めるのを待つ方がうまくいくことがあります。
ただし、エリート選手のようにスタート直後から速いペースに乗る必要がある場合は、マラソンでもしっかりしたアップが必要になります。
つまり、距離、目的、レベルによって、適切なアップは変わります。
「何分やれば正解」ではなく、その日の走りに必要な準備をすることが大切です。
ウォームアップを習慣にすると、走りは安定する
ウォームアップは、一回やったから劇的に速くなるものではありません。
しかし、習慣にすると走りは安定します。
毎回同じように身体を確認し、気温や疲労に合わせて準備を変えることで、その日のコンディションを把握しやすくなります。
今日は脚が重いのか。呼吸が浅いのか。疲労が残っているのか。それとも、少し動けば問題なく走れそうなのか。
こうした感覚をアップ中に拾えるようになると、無理に予定通り走って失敗することが減ります。
Coachマイクは、ウォームアップを身体だけでなく、気持ちを整える時間としても見ています。
軽く走りながら呼吸を整え、今日の練習の目的を確認し、身体を少しずつ走るモードにしていく。そうすることで、練習の入り方が落ち着きます。
多くのランナーは、練習メニューそのものにはこだわります。
何km走るか、何本走るか、どのペースで走るか。そこは細かく考えるのに、走る前の準備は意外と雑になりがちです。
でも、準備が変われば、練習の質も変わります。
ウォームアップは、派手な習慣ではありません。SNS映えもしません。けれど、長く走り続けるランナーほど、こういう地味な習慣を大切にしています。
Coachマイクの考え方をまとめるなら、こうです。
ウォームアップは、走れる身体を作るためのスイッチです。
最初の1kmを我慢するのではなく、その前に身体を準備する。
その小さな習慣が、怪我を減らし、練習の質を高め、長く走り続ける力につながっていきます。
COACH MIKE’S NOTE
年齢を重ねるほど、ウォームアップは重要になります。若い頃の感覚で、いきなり速く走ろうとすると、身体がまだ準備できていないことがあります。
僕自身は、20分ほどジョグをしてから、レースペースに近い動きを数本入れる形が好きです。アップ不足のまま始めると、最初のインターバルがアップ代わりになってしまいます。レースでも練習でも、まずは身体を「動ける状態」にすることを大切にしてください。
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この記事を書いたコーチ
Mike Trees(7 x マスターズ世界チャンピオン)
マイクは、長年コーチとして、またトレーナーとして、また選手として活躍してきました。
インスタグラム @run.nrg にて、難しいスポーツ科学を誰にでも分かりやすいように毎日配信しています。分かりやすい解説が好評で、フォロワー数は45万人以上。
アジアの暑い気候に適した、非常に機能的なコンプレッションウェアとランニングギアを作りたいという想いから、SA1NTと共同開発を行いました。
MIKE TREES から一言;
「私はアスリートとして、コーチとして、そしてスポーツ科学者として、常にスポーツに対するホリスティックなアプローチを取り入れてきました。
トレーニングからレース、リカバリー、そして体への燃料補給に至るまで、手を抜かずに取り組んできました。
卓越性を追求する中で、アスリートが最高のパフォーマンスを発揮できるよう、フィット感の高い機能的なスポーツウェアは必須です。
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