エアスクワット(Air Squat)の正しいやり方|クロスフィットの土台を身につける

足裏・膝・股関節・体幹をそろえ、深さより先に崩れない動作を作る

カテゴリー:スクワット|Vol.11

執筆・編集:SA1NT JAPAN編集部

専門監修:板谷友弘(UFIT Tony Coach/CrossFit Uninterrupted オーナー兼ヘッドコーチ)

エアスクワット(Air Squat)は、自分の体重だけで行うスクワットです。

クロスフィット(CrossFit)では、バックスクワット、フロントスクワット、オーバーヘッドスクワット、ウォールボール、スラスターなど、多くの動作の土台になります。

先に結論:
良いエアスクワットは、足裏全体で床を踏み、膝をつま先と同じ方向へ動かし、体幹を保ったまま股関節を後ろ下へ下ろします。CrossFitの基準では股関節の折れ目が膝の上端より下まで下がりますが、深さだけを優先して腰や胸を崩す必要はありません。

目次


エアスクワットとは?

立った姿勢から股関節と膝を曲げて身体を下ろし、足で床を押して立ち上がる動作です。椅子へ座って立つ、床へしゃがむといった日常動作にもつながります。

CrossFit公式は、エアスクワットを他のスクワット動作の基礎として位置づけています。自重で安定した動作を作ってから、バーベルや難しい姿勢を加えます。

主に使う部位

  • 大腿四頭筋
  • 臀筋
  • ハムストリングス
  • 内転筋群
  • ふくらはぎ
  • 腹部と背部の体幹

TONYコーチも、スクワットでは足首、膝、股関節が動くだけでなく、上半身を安定させるために体幹も使うため、全身運動になると説明しています。


足幅とつま先の向き

最初は、かかとを肩幅程度に開き、つま先を少し外へ向けます。

TONYコーチは初心者向けの目安として、つま先を15〜30度程度外へ向けています。ただし、骨格、身長、股関節や足首の可動域には個人差があるため、全員が完全に同じ足幅や角度で行う必要はありません。

開始姿勢の目安

  • 足幅は肩幅程度
  • つま先は少し外向き
  • 足裏全体を床につける
  • 胸と視線を自然に前へ向ける
  • 腹部へ軽く力を入れる

エアスクワットの正しい動作手順

  1. 足を肩幅程度に開き、つま先を少し外へ向ける
  2. 足裏全体で床を踏む
  3. 腹部へ力を入れ、背骨を自然な位置に保つ
  4. 股関節を少し後ろへ動かしながら、膝も曲げる
  5. 股関節を後ろ下へ下ろす
  6. 膝をつま先と同じ方向へ動かす
  7. 胸が大きく落ちないように保つ
  8. コントロールできる深さまでしゃがむ
  9. 足裏全体で床を押し、股関節と膝を伸ばして立つ

「お尻を後ろへ引く」だけではありません。後ろへ引きすぎると上半身が大きく前へ倒れます。最初に股関節を使った後は、股関節を下方向へ下ろす意識が必要です。


足裏の重心

スクワット中は、足裏が床から浮かないようにします。次の3点を床へ残す意識が分かりやすいです。

  • 親指の付け根
  • 小指の付け根
  • かかと

TONYコーチは、つま先側やかかと側だけへ偏らず、足裏全体で床を踏むよう説明しています。

足裏チェック

  • かかとが浮いていない
  • つま先が浮いていない
  • 足の内側だけへ潰れていない
  • 立ち上がるときも足裏3点が残っている

膝の方向

膝は、つま先とおおむね同じ方向へ動かします。

疲労すると膝が内側へ入りやすくなります。TONYコーチは、小指側のラインも意識して床を踏むことで、膝が自然に外へ向き、臀部を使いやすくなると説明しています。

ただし、膝を外へ押しすぎて、足の外側だけへ体重を移す必要はありません。足裏3点を保ちながら、膝とつま先の方向をそろえます。

膝はつま先より前へ出てもよい?

膝がつま先より前へ出ること自体を、必ずしも間違いと考える必要はありません。深くしゃがむと、足首の動きに伴って膝が前へ進むことがあります。

確認すべきなのは、膝の位置だけでなく、かかとが浮いていないか、痛みがないか、膝とつま先の方向がそろっているか、体幹を保てているかです。


どこまで深くしゃがむ?

CrossFitの基本的な動作基準では、ボトムで股関節の折れ目が膝の上端より下へ入ります。

しかし、深ければ深いほど良いわけではありません。

TONYコーチは、高回数で速くしゃがもうとして下で潰れ、骨盤が後ろへ倒れ、腰が丸まる動きを問題として挙げています。

深さの優先順位

  1. 足裏が床についている
  2. 膝とつま先の方向がそろっている
  3. 胸と背骨をコントロールできる
  4. 股関節の折れ目が膝の上端より下へ入る
  5. 必要以上に深く入り、姿勢を崩さない

深さが出ない場合は、ボックスやメディシンボールを目標にし、コントロールできる位置から徐々に下げます。


よくある間違いと修正方法

間違い 起きていること 修正方法
かかとが浮く 重心が前へ流れている 速度を下げ、足裏3点を保つ
膝が内側へ入る 足裏と膝の方向が崩れている 小指側も床へ残し、膝をつま先方向へ動かす
胸が落ちる 体幹が抜ける、股関節を引きすぎる 腕を前へ伸ばし、腹部へ力を入れる
お尻だけ先に上がる 胸と股関節が分離している 胸と股関節を同時に上げる
下で力が抜ける 速く落ちすぎ、骨盤と背骨が崩れる ゆっくり下ろし、保てる深さを確認する
深さが足りない 可動域、バランス、理解が不足 ターゲットを使って段階的に深くする

TONYコーチの実践アドバイス

TONYコーチの説明で重要なのは、「深くしゃがむこと」と「良い姿勢で深くしゃがむこと」を分けている点です。

初心者は、順番に確認する

足幅、つま先、股関節からの動き、足裏、膝の方向、胸の位置を一つずつ確認します。

速さのためにボトムで潰れない

高回数WODでは、早く反復しようとして下へ落ち、ボトムで腰や骨盤の姿勢を失うことがあります。速く感じても、動作をコントロールできず、腰回りへ負担が集中しやすくなります。

必要以上に深くしない

股関節の折れ目が膝の上端より下へ入れば、基本的なスクワット基準を満たします。そこからさらに深く入り、胸や腰が崩れるなら、深さを増やす必要はありません。

TONYコーチの5ポイント

  1. 股関節を少し引いてから下へしゃがむ
  2. 足裏全体で床を踏む
  3. 膝をつま先と同じ方向へ動かす
  4. 胸と背骨を保つ
  5. 姿勢を崩して必要以上に深く入らない

高回数WODでフォームを崩さない方法

  • 最初から最速でしゃがまない
  • ボトムで完全に脱力しない
  • 立位で股関節と膝を伸ばす
  • フォームが崩れる前にセットを分ける
  • ボールやボックスで毎回同じ深さを確認する

50回、100回と続くと、自重でもフォームは変わります。タイムだけでなく、足裏、膝、胸、深さを最後まで保てるペースを選びます。


初心者向け練習とスケーリング

ボックススクワット

後ろへ椅子やボックスを置き、軽く触れる位置までしゃがんで立ちます。

スクワット・トゥ・ターゲット

メディシンボールなどを目標にして、毎回同じ深さを練習します。

支えを使う

柱やリングを軽く持ち、バランスを補助しながら姿勢を練習します。

テンポスクワット

3秒かけて下り、1秒停止して立ちます。勢いで崩れている場所を確認できます。

初心者向け練習例

  • ボックススクワット 8回×3セット
  • テンポエアスクワット 5回×3セット
  • 通常のエアスクワット 10回×3セット

回数より、毎回同じ姿勢を再現できることを優先します。

痛みがある場合:
鋭い膝痛、股関節痛、腰から脚へ広がる痛み、しびれ、関節の腫れがある場合は、深さや回数を無理に増やさず、コーチや医療専門職へ相談してください。


よくある質問

スクワットで膝はつま先より前へ出してはいけませんか?

必ずしもそうではありません。足裏、膝の方向、痛み、体幹を全体で確認します。

つま先は何度開けばよいですか?

少し外へ向けるところから始めます。15〜30度程度が目安ですが、骨格と可動域に合わせて調整します。

深くしゃがめないと意味がありませんか?

いいえ。現在コントロールできる深さから練習し、段階的に改善します。

何回から始めればよいですか?

初心者は5〜10回程度を複数セット行い、フォームを維持できるか確認します。TONYコーチは一般向け動画で15〜20回を3セットの例も紹介していますが、経験に合わせて減らして構いません。


まとめ|深さより先に、足裏と姿勢をそろえる

  1. 足を肩幅程度に開く
  2. つま先を少し外へ向ける
  3. 足裏全体で床を踏む
  4. 股関節と膝を一緒に曲げる
  5. 膝をつま先と同じ方向へ動かす
  6. 胸と背骨を保つ
  7. 姿勢を維持できる深さまでしゃがむ
  8. 床を押して股関節と膝を伸ばす

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参考資料



この記事はSA1NT JAPAN編集部が作成し、CrossFit Uninterruptedヘッドコーチであり、HYROX競技にも挑戦している板谷友弘氏の監修を受けています。

専門監修

板谷友弘(UFIT Tony Coach/CrossFit Uninterrupted オーナー兼ヘッドコーチ)

板谷友弘(いたや ともひろ)氏は、日本を代表するクロスフィットアスリートであり、世界最高峰の舞台であるCrossFit Gamesに出場。2021年にはCrossFit GamesのMen 35–39部門で世界15位。さらに2026年には、40歳以上の世界トップ選手が競うMasters CrossFit GamesのMen 40–44部門に出場し、世界29位を記録しました。2026年、日本人として世界最高峰の舞台に立ったのは彼1人のみです。

また近年はHYROX競技にも積極的に取り組み、本格的なランニング競技経験がない中、HYROX大阪大会では総合3位・日本人選手2位に輝きました。

CrossFit Gamesという世界最高峰の舞台を選手として経験し、現在も現役アスリートとして挑戦を続けながら、世界レベルの競技経験と、CrossFitとHYROXの両方を深く理解する数少ない日本人コーチとして数多くのアスリートを指導してきた経験を活かし、本記事の監修を担当しています。

板谷友弘コーチ UFIT Tony Coach

本記事では、足幅、重心、膝と股関節の使い方、深さ、高回数WODでの姿勢管理について、本人の動画内容とコーチング経験を反映しています。

🌐 CrossFit Uninterrupted

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