バックスクワット(Back Squat)の正しいフォーム|深さ・体幹・重量の伸ばし方

背中でバーを安定させ、足裏・体幹・股関節をそろえて立ち上がる

カテゴリー:スクワット|Vol.14

執筆・編集:SA1NT JAPAN編集部

専門監修:板谷友弘(UFIT Tony Coach/CrossFit Uninterrupted オーナー兼ヘッドコーチ)

バックスクワット(Back Squat)は、バーベルを背中の上部に担いで行うスクワットです。

クロスフィット(CrossFit)では、脚力、股関節の伸展力、体幹の安定を高めるために使われます。フロントスクワットより高重量を扱いやすい一方で、バーの位置、上半身の前傾、深さ、セーフティの管理が重要です。

先に結論:
バーを首の骨に直接乗せず、背中の上部で安定させます。足裏全体で床を踏み、膝をつま先方向へ動かし、体幹を保ったまま股関節を後ろ下へ下ろします。立ち上がりでは胸と股関節を一緒に上げます。

目次


バックスクワットとは?

バーベルを背中の上部で支え、しゃがんで立ち上がる筋力トレーニングです。

CrossFit公式では、バックスクワットを9つの基礎動作の一つとして扱っています。スクワットの基本を保ちながら、背中側に負荷を追加します。

主に鍛えられる部位

  • 大腿四頭筋
  • 臀筋
  • ハムストリングス
  • 内転筋群
  • 脊柱起立筋
  • 腹部と背部の体幹

高重量を扱えるため、脚だけでなく、背中、腹部、握り、姿勢を含めた全身の力が必要です。


TONYコーチのバックスクワット実践映像

次の動画では、TONYコーチが実際にバックスクワットを行っている様子を確認できます。

この動画は、バーの位置、足幅、しゃがむ深さ、上半身の角度、立ち上がり方を確認するための参考映像として掲載しています。動画内の発言を根拠にした新しいコメントや助言は追加していません。

映像で確認したいポイント

  • バーが首ではなく背中上部に乗っているか
  • 左右の足幅とつま先の向き
  • 足裏全体で床を踏めているか
  • 胸と股関節が一緒に動いているか
  • ボトムからお尻だけが先に上がっていないか
  • 立位で膝と股関節を伸ばしているか

バーを置く位置

バーは、首の骨の上ではなく、背中上部の筋肉の上に置きます。

ハイバー

僧帽筋の上部へ置く方法です。上半身を比較的起こしやすく、膝が前へ動きやすい姿勢になります。

ローバー

ハイバーより少し下へ置き、背中で棚を作る方法です。上半身の前傾が大きくなり、股関節をより使いやすくなります。

この記事では、CrossFitクラスで一般的に扱いやすいハイバーを基本に説明します。
施設や競技目的によってローバーを使う場合もあります。


手幅と握り方

バーを背中へ安定させるために、手で強く引き寄せます。ただし、手首だけで重量を支えません。

  • 左右同じ位置を握る
  • できる範囲で手幅を狭くする
  • 肩甲骨を寄せ、背中上部へ張りを作る
  • 手首を極端に反らさない
  • 肘を必要以上に後ろへ上げない

肩が硬く、狭い手幅で痛みが出る場合は、手幅を広げて調整します。


ラックから外す方法

  1. バーの中央へ入る
  2. 背中上部へバーを乗せる
  3. 両足をバーの真下へ置く
  4. 腹部へ力を入れる
  5. 膝と股関節を伸ばしてバーを持ち上げる
  6. 1〜2歩だけ後ろへ下がる
  7. 足幅を決めて静止する

片足ずつ大きく動かしたり、何歩も歩いたりすると、開始前に疲労し、バランスも崩れます。

ラックの高さ

つま先立ちをせず、少し膝を曲げればバーの下へ入れる高さに設定します。


足幅とつま先の向き

基本は、足を肩幅程度に開き、つま先を少し外へ向けます。

ただし、骨格や可動域によって適切な幅は異なります。自分が足裏、膝、体幹を保ちながら深くしゃがめる位置を選びます。

開始姿勢のチェック

  • バーが背中の中央にある
  • 左右の手幅が同じ
  • 足裏全体が床についている
  • つま先が少し外を向く
  • 腹部と背中に力が入っている
  • 視線が自然に前を向く

バックスクワットの正しい動作手順

  1. バーを背中上部へ安定させる
  2. 足裏全体で床を踏む
  3. 大きく息を吸い、腹部を固める
  4. 股関節と膝を曲げる
  5. 股関節を後ろ下へ下ろす
  6. 膝をつま先と同じ方向へ動かす
  7. 背骨を自然な位置に保つ
  8. コントロールできる深さまでしゃがむ
  9. 足で床を押して立ち上がる
  10. 膝と股関節を伸ばして動作を終える

バーを背負っていても、足裏、膝、股関節、深さの基本はエアスクワットと共通しています。

関連記事:エアスクワットの正しいやり方


上半身の前傾と体幹

バックスクワットでは、フロントスクワットより上半身が前へ傾きやすくなります。

前傾自体が間違いではありません。バーが足の中央の上に残るために必要な前傾があります。

問題になる前傾

  • 胸が急に落ちる
  • 腰が大きく丸まる
  • 立ち上がりでお尻だけ先に上がる
  • バーがつま先側へ移動する

CrossFit公式も、体格によって前傾角度は異なると説明しています。大腿骨が長い人は、バランスを保つために前傾が大きくなる場合があります。


深さの基準

基本的には、股関節の折れ目が膝の上端より下へ入る深さを目指します。

ただし、重量を増やすために深さを短くしたり、深さだけを優先して腰を大きく丸めたりしないようにします。

深さを確認する条件

  • 足裏が床に残っている
  • 膝がつま先方向へ動いている
  • 背骨をコントロールできる
  • バーが足の中央上にある
  • ボトムから自力で立ち上がれる

CrossFit公式も、体格や現在の能力に合わせて負荷を調整しながら、動作の基準と可動域を改善することを重視しています。


立ち上がり方

ボトムからは、足裏全体で床を押します。

胸と股関節を同じ速度で上げる意識を持ちます。

お尻だけ先に上がる場合

重量が重すぎる、体幹が崩れている、膝を早く伸ばしすぎている可能性があります。

膝が内側へ入る場合

重量を下げ、膝をつま先方向へ保ちます。足裏の内側または外側へ偏っていないか確認します。

途中で止まる場合

反動で姿勢を崩さず、腹部と背中の張りを保ちます。繰り返し同じ位置で止まる場合は、重量、テンポ、ポーズスクワットなどを見直します。


よくある間違いと修正方法

間違い 起きていること 修正方法
バーが首に当たる 背中で棚を作れていない 肩甲骨を寄せ、僧帽筋の上へ置く
かかとが浮く 重心が前へ流れている 重量を下げ、足裏全体を保つ
膝が内側へ入る 膝とつま先の方向が崩れる 膝をつま先方向へ保つ
胸が落ちる 体幹が抜け、バーが前へ移動する 呼吸と腹圧を作り、重量を下げる
お尻だけ先に上がる 股関節と胸が分離している 胸と股関節を同時に上げる
深さが浅くなる 重量を優先している 基準を保てる重量へ戻す
ラックから何歩も歩く 開始前に疲労し不安定になる 1〜2歩で位置を決める

セーフティと失敗方法

高重量では、フォームだけでなく、失敗した場合の準備が必要です。

セーフティバーを使う

パワーラックでは、ボトムより少し低い位置にセーフティバーを設定します。

スポッターを使う

高重量や限界に近いセットでは、経験のあるスポッターを付けます。

後ろへ落とす練習

バンパープレートと適切な床があり、コーチの指導を受けられる環境では、バーを後ろへ安全に落とす方法を練習する場合があります。

一人で限界重量へ挑戦しないでください。
ラック、セーフティ、周囲のスペース、プレート、床、スポッターを確認してから行います。


重量・回数の選び方

目的によって重量と回数を変えます。

目的 回数例 負荷の考え方
フォーム習得 5〜8回 姿勢を完全に保てる軽い重量
筋力 1〜5回 高重量だが基準を維持できる
筋量 6〜12回 終盤もフォームを保てる中重量
筋持久力 10回以上 呼吸と姿勢を維持できる軽めの重量

CrossFit公式は、スクワットの目的、体格、経験に応じて負荷と回数を変える必要があり、全員が同じ動作パターンや重量になるわけではないと説明しています。

初心者の開始方法

  • PVCまたは空のバーで練習する
  • 5回程度のセットで姿勢を確認する
  • 少しずつ重量を増やす
  • 深さや体幹が崩れたら重量を戻す

フロントスクワットとの違い

項目 バックスクワット フロントスクワット
バーの位置 背中上部 肩と上胸部
上半身 前傾が大きくなりやすい 比較的起こした姿勢
扱いやすい重量 一般的に高重量 一般的に軽い
特に必要な要素 背中、股関節、脚、体幹 フロントラック、肘、胸、体幹
関連動作 最大筋力、パワー クリーン、スラスター

どちらか一方だけが優れているわけではありません。クロスフィットでは、目的に応じて両方を使います。

関連記事:フロントスクワットの正しいやり方


よくある質問

Q.バーは首に乗せますか?

A.首の骨に直接乗せず、背中上部の筋肉で支えます。

Q.上半身が前へ倒れるのは間違いですか?

A.必ずしも間違いではありません。バーを足の中央上に保つため、体格やバー位置に応じた前傾が必要です。

Q.膝はつま先より前へ出てもよいですか?

A.はい。かかと、膝の方向、痛み、体幹を保てているかを全体で確認します。

Q.どのくらい深くしゃがめばよいですか?

A.基本は股関節の折れ目が膝の上端より下へ入る深さです。姿勢を崩して無理に深くする必要はありません。

Q.ベルトは必要ですか?

A.必須ではありません。ベルトは腹圧を作る補助になりますが、まず自分で体幹を固める技術を身につけます。

Q.何回から始めればよいですか?

A.初心者は軽い重量で5回程度を3セット行い、毎回同じフォームを保てるか確認します。


まとめ|バーを背中で支え、胸と股関節を一緒に上げる

  1. バーを首ではなく背中上部へ置く
  2. 左右同じ手幅で握る
  3. 1〜2歩でラックから出る
  4. 足裏全体で床を踏む
  5. 腹部と背中を固める
  6. 膝をつま先方向へ動かす
  7. 姿勢を保てる深さまでしゃがむ
  8. 胸と股関節を一緒に上げる
  9. セーフティを準備する

重量を増やす前に、バーの位置、足裏、体幹、深さ、立ち上がりを安定させます。

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参考資料



この記事はSA1NT JAPAN編集部が作成し、CrossFit Uninterruptedヘッドコーチであり、HYROX競技にも挑戦している板谷友弘氏の監修を受けています。

専門監修

板谷友弘(UFIT Tony Coach/CrossFit Uninterrupted オーナー兼ヘッドコーチ)

板谷友弘(いたや ともひろ)氏は、日本を代表するクロスフィットアスリートであり、世界最高峰の舞台であるCrossFit Gamesに出場。2021年にはCrossFit GamesのMen 35–39部門で世界15位。さらに2026年には、40歳以上の世界トップ選手が競うMasters CrossFit GamesのMen 40–44部門に出場し、世界29位を記録しました。2026年、日本人として世界最高峰の舞台に立ったのは彼1人のみです。

また近年はHYROX競技にも積極的に取り組み、本格的なランニング競技経験がない中、HYROX大阪大会では総合3位・日本人選手2位に輝きました。

CrossFit Gamesという世界最高峰の舞台を選手として経験し、現在も現役アスリートとして挑戦を続けながら、世界レベルの競技経験と、CrossFitとHYROXの両方を深く理解する数少ない日本人コーチとして数多くのアスリートを指導してきた経験を活かし、本記事の監修を担当しています。

板谷友弘コーチ UFIT Tony Coach

本記事では、バーの位置、体幹、深さ、立ち上がり、重量設定、安全管理について専門監修を受けています。掲載したYouTubeは、TONYコーチがバックスクワットを実践している様子を確認するための参考映像です。

🌐 CrossFit Uninterrupted

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