SA1NTコーチ【マイク】が教える|加齢に打ち勝つ①ランニング哲学

年齢を重ねても走り続けるために大切なのは、“若い頃に戻ること”ではありません。

大切なのは、衰える速度をできるだけ遅らせること。つまり、Coach Mike がよく言う “Slow down the slowing down” という考え方です。

加齢によって、筋力・柔軟性・回復力・スピード・有酸素能力は少しずつ変化します。しかし、それは「もう走れない」という意味ではありません。正しく鍛え、正しく回復し、身体の変化を理解すれば、年齢を重ねてもランニングを長く楽しむことができます。



加齢に打ち勝つとはどういうことか

まず最初に理解しておきたいのは、加齢に打ち勝つとは「老化を完全に止める」という意味ではない、ということです。

年齢を重ねれば、誰でも少しずつ変化します。最大酸素摂取量は低下しやすくなり、筋肉量も落ちやすくなり、回復にも時間がかかるようになります。

しかし、だからといって急激に衰える必要はありません。

Coach Mike の考え方はとてもシンプルです。

昔の自分に勝つことだけを目標にするのではなく、衰える速度をできるだけ遅らせること。

これは、マスターズランナーにとって非常に重要な考え方です。

若い頃の自己ベストを追い続けるだけでは、年齢とともに苦しくなります。しかし、動ける身体を維持し、怪我を減らし、質の高いランニングを続けることは、何歳になっても目指すことができます。

年齢とともに変わるランニングフォーム

加齢によって最初に変化しやすいのは、単純なスピードだけではありません。

多くのランナーで起こりやすいのは、フォームの変化です。

  • ストライドが短くなる
  • 接地時間が長くなる
  • 上半身が硬くなる
  • 腰が落ちる
  • 腕振りが小さくなる
  • 足が後ろに流れにくくなる

その結果、以前と同じペースで走っているつもりでも、身体にかかる負担が大きくなります。

年齢を重ねたランナーにとって大切なのは、ただ距離を走ることではなく、効率よく走ることです。

効率の悪いフォームで無理に練習量を増やすと、疲労がたまり、怪我のリスクも高くなります。

ストライドを失わないために必要なこと

年齢とともに失いやすいものの一つが、ストライドです。

ストライドとは、一歩で進む距離のことです。ただし、ここで注意したいのは、ストライドを前に無理やり伸ばすことではありません。

前に足を伸ばしすぎると、オーバーストライドになり、ブレーキがかかります。

大切なのは、身体の真下に足を接地し、後ろへしっかり押し出すことです。

そのためには、次の要素が必要になります。

  • 股関節の可動域
  • 臀部とハムストリングスの筋力
  • ふくらはぎと足首の反発
  • 体幹の安定
  • リラックスした腕振り

年齢を重ねるほど、ただ走るだけではこれらを維持しにくくなります。

だからこそ、筋力トレーニング、ドリル、短い坂ダッシュ、ストレッチが重要になります。

ランニングエコノミーを高める

ランニングエコノミーとは、同じスピードで走るために、どれだけ少ないエネルギーで走れるかという考え方です。

年齢を重ねたランナーにとって、これは非常に重要です。

若い頃のように、力任せに走ることは難しくなります。だからこそ、余計な力を抜き、効率よく身体を使う必要があります。

ランニングエコノミーを高めるためには、次のポイントが大切です。

  • 姿勢を高く保つ
  • 肩と腕をリラックスさせる
  • 足を身体の真下に置く
  • 接地時間を長くしすぎない
  • ピッチを極端に落とさない
  • 呼吸を落ち着かせる

速く走るためには、必ずしも力を入れる必要はありません。

むしろ、年齢を重ねるほど重要になるのは、無駄な力を抜くことです。

年齢を言い訳にしない

年齢は確かに身体に影響します。

しかし、「もう年だから」という言葉を早く使いすぎると、本来まだ維持できるはずの能力まで失ってしまいます。

大切なのは、年齢を無視することではありません。

年齢による変化を理解したうえで、トレーニングの方法を変えることです。

若い頃と同じ量、同じ強度、同じ回復時間で走る必要はありません。

むしろ、年齢を重ねたランナーほど、次のような工夫が必要になります。

  • ハードな練習をやりすぎない
  • 回復日をしっかり入れる
  • 筋力と柔軟性を維持する
  • 睡眠を優先する
  • 痛みを無視しない
  • フォームの質を大切にする

加齢に打ち勝つとは、若い頃と同じことを続けることではありません。

年齢に合わせて、より賢く走ることです。

まとめ

年齢を重ねると、身体は少しずつ変化します。

しかし、正しく向き合えば、急激に衰える必要はありません。

大切なのは、次の考え方です。

  • 衰えを完全に止めようとしない
  • 衰える速度を遅らせる
  • フォームと効率を大切にする
  • 筋力・柔軟性・回復を軽視しない
  • 年齢を言い訳にしない

走ることは、単にタイムを追うことだけではありません。

長く動ける身体を作り、生活の質を高め、年齢を重ねても自分らしく走り続けること。

それが、Coach Mike の考える「加齢に打ち勝つランニング哲学」です。


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この記事を書いたコーチ

Mike Trees マスターズ世界チャンピオン コーチ

Mike Trees(7×マスターズ世界チャンピオン)

長年にわたりコーチ、トレーナー、そしてアスリートとして活躍。スポーツ科学の知見と実戦経験を融合させ、ランニングパフォーマンス向上に取り組んできた。

アジアの高温多湿な環境に適した、高機能なコンプレッションウェアとランニングギアの必要性を感じ、SA1NTと共にプロダクト開発を行っている。

Mike Treesからのメッセージ

「私はアスリートとして、コーチとして、そしてスポーツ科学者として、常にスポーツに対するホリスティックなアプローチを取り入れてきました。トレーニング、レース、リカバリー、栄養、そして身体のケア。そのすべてが、長く走り続けるために重要です。」

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