SA1NTコーチ【マイク】が教える|加齢に打ち勝つ③筋力とスピード
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年齢を重ねてもスピードを失わないためには、ただ走り込むだけでは不十分です。
加齢とともに失われやすいのは、スタミナだけではありません。むしろ多くのランナーが先に失うのは、筋力・反発・速筋・動きのキレです。
Coach Mike が年齢を重ねたランナーに筋力トレーニングとスプリントを勧める理由は、単に速く走るためだけではありません。
動ける身体を維持し、ストライドを守り、怪我を減らし、ランニングエコノミーを高めるためです。
加齢で失われやすいのは“速筋”
年齢を重ねると、筋肉量は少しずつ低下していきます。
特に失われやすいのが、速く強い動きを生み出す fast twitch fibres(速筋線維) です。
速筋は、スプリント、坂ダッシュ、ジャンプ、急な加速、レース終盤の切り替えなどに関わります。
しかし、ゆっくりした有酸素ランニングだけでは、この速筋は十分に刺激されません。
その結果、年齢とともに次のような変化が起こりやすくなります。
- ストライドが短くなる
- 足が前に出にくくなる
- 地面を押す力が弱くなる
- 接地時間が長くなる
- フォームが小さくなる
- スピードを出すのが怖くなる
これは単に「年齢だから仕方ない」という話ではありません。
使わなくなった能力は、さらに失われていきます。
だからこそ、年齢を重ねたランナーほど、筋力とスピード刺激を意識的に残す必要があります。
筋トレがランナーに必要な理由
ランナーにとって筋トレは、ボディビルのように筋肉を大きくするためだけのものではありません。
走るために必要な筋力を維持し、フォームを安定させ、怪我を減らすための土台です。
年齢を重ねると、特に次の部位が重要になります。
- 臀部
- ハムストリングス
- 大腿四頭筋
- ふくらはぎ
- 体幹
- 股関節まわり
これらの筋力が落ちると、走っている時に姿勢を保ちにくくなります。
腰が落ち、接地が重くなり、足だけで頑張る走りになってしまいます。
筋トレで大切なのは、ランニングに必要な動きを支えることです。
おすすめは、次のような基本的な種目です。
- スクワット
- ランジ
- ステップアップ
- カーフレイズ
- ヒップヒンジ
- 片脚バランス系トレーニング
- 体幹トレーニング
週に2回でも、継続すれば大きな違いになります。
重要なのは、一度にやりすぎることではなく、走りに影響しない範囲で継続することです。
スプリントをやめてはいけない理由
年齢を重ねると、多くのランナーはスプリントを避けるようになります。
怪我が怖い。きつい。もう速く走る必要がない。
その気持ちは自然です。
しかし、Coach Mike は、年齢を重ねたランナーほど短いスプリントを完全にやめるべきではないと考えています。
理由は、スプリントが次の能力を刺激するからです。
- 速筋線維
- 神経系
- 腱の反発
- 接地の速さ
- 股関節の伸展
- ストライドの力強さ
スプリントは、長距離ランナーにも必要です。
なぜなら、マラソンペースで走っている時でも、効率の良い走りには筋力・反発・接地の速さが関係しているからです。
ただし、ここでいうスプリントは、全力で追い込む練習ではありません。
目的は疲労困憊になることではなく、神経系を眠らせないことです。
おすすめは次のような形です。
- 10秒前後の短い流し
- 6〜8本程度
- 完全回復を入れる
- 疲れる前に止める
- フォームが崩れたら終了
短く、鋭く、リラックスして行うことが大切です。
坂ダッシュとプライオメトリクス
平地でスプリントをするのが不安な場合、短い坂ダッシュは非常に有効です。
坂では自然に前傾し、接地位置も身体の下に入りやすくなります。
また、スピードが出すぎにくいため、平地の全力疾走よりもコントロールしやすい場合があります。
短い坂ダッシュは、次のような目的に向いています。
- 臀部とハムストリングスを使う
- 地面を押す感覚を作る
- ストライドを力強くする
- 心肺よりも神経系を刺激する
- フォームを大きく使う
また、プライオメトリクスも、年齢を重ねたランナーにとって有効です。
プライオメトリクスとは、ジャンプやバウンディングのように、地面からの反発を使うトレーニングです。
例としては、次のようなものがあります。
- バウンディング
- スキップ
- ボックスジャンプ
- ホッピング
- 短い坂でのドリル
ただし、プライオメトリクスは身体への負荷も高いので、少量から始める必要があります。
最初から多くやる必要はありません。
大切なのは、きれいなフォームで、反発を感じながら行うことです。
やりすぎないことも重要
筋トレとスプリントは重要ですが、やりすぎれば逆効果になります。
特に年齢を重ねたランナーは、回復に時間がかかります。
筋肉痛が強すぎる状態で走れば、フォームが崩れ、怪我のリスクも高くなります。
Coach Mike の考え方は、常にバランスです。
強くなるためには刺激が必要です。
しかし、その刺激を吸収するためには回復も必要です。
目安としては、次のように考えるとよいでしょう。
- 筋トレは週2回
- スプリントや坂ダッシュは週1回から
- 疲労が強い日は行わない
- フォームが崩れる前に止める
- ハードなランニングと同じ日にまとめる
- 翌日は回復日を入れる
年齢を重ねたランナーに必要なのは、若い頃のように何でも全力でやることではありません。
必要な刺激を、必要な量だけ入れることです。
まとめ
加齢に打ち勝つためには、有酸素ランニングだけでは足りません。
年齢とともに失われやすい筋力・速筋・反発・スピードを守るためには、筋トレと短いスピード刺激が必要です。
Coach Mike が重視しているのは、次のポイントです。
- 速筋を眠らせない
- 筋力でフォームを支える
- 短いスプリントで神経系を刺激する
- 坂ダッシュで安全にパワーを作る
- やりすぎず、回復もセットで考える
年齢を重ねても、スピードを完全に諦める必要はありません。
大切なのは、若い頃と同じように追い込むことではなく、年齢に合わせて賢く刺激を入れることです。
筋力とスピードを守ることは、速く走るためだけではありません。
長く走り続けるための土台でもあります。
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この記事を書いたコーチ
Mike Trees(7×マスターズ世界チャンピオン)
長年にわたりコーチ、トレーナー、そしてアスリートとして活躍。スポーツ科学の知見と実戦経験を融合させ、ランニングパフォーマンス向上に取り組んできた。
アジアの高温多湿な環境に適した、高機能なコンプレッションウェアとランニングギアの必要性を感じ、SA1NTと共にプロダクト開発を行っている。
Mike Treesからのメッセージ
「私はアスリートとして、コーチとして、そしてスポーツ科学者として、常にスポーツに対するホリスティックなアプローチを取り入れてきました。トレーニング、レース、リカバリー、栄養、そして身体のケア。そのすべてが、長く走り続けるために重要です。」
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