SA1NTコーチ【マイク】が教える|ピリオダイゼーションの科学① ピリオダイゼーションとは?なぜ年間計画が必要なのか

レースで結果を出すには、まず「計画」が必要です

多くのランナーは、今日の練習、今週の距離、次のポイント練習には意識を向けます。

しかし、本当に大切なのは、もっと大きな視点です。

次のレースで最高の走りをしたいなら、まず「いつ、何を、どの順番で鍛えるのか」を決める必要があります。

これがピリオダイゼーションです。

簡単に言えば、ピリオダイゼーションとは、目標レースに向けてトレーニングを期間ごとに分け、計画的に体を作っていく考え方です。

私は、トレーニングをジグソーパズルのようなものだと考えています。

一つひとつの練習は小さなピースです。ロングラン、ベーストレーニング、筋力トレーニング、テンポ走、インターバル、テーパー、休養。そのどれか一つが欠けても、最後にきれいな絵は完成しません。


こんな疑問を解消します

  • ピリオダイゼーションとは何か?
  • なぜレースの6か月前から計画する必要があるのか?
  • ベーストレーニング、スピード練習、テーパーはどの順番で行うべきか?
  • なぜ直前に頑張ってもレースには間に合わないのか?
  • 忙しいランナーでも年間計画は必要なのか?

ピリオダイゼーションとは何か

ピリオダイゼーションとは、トレーニングを目的ごとに期間分けして組み立てる方法です。

一年中、同じような練習を続けるのではなく、目標レースから逆算して、必要な能力を順番に作っていきます。

例えば、いきなりレースペースの練習ばかりをしても、土台となる有酸素能力がなければ長くは続きません。

逆に、いつまでもゆっくり走るだけでは、レースで必要なスピードには慣れません。

だからこそ、トレーニングには順番が必要です。

家を建てる時を想像してください。

最初に屋根を作る人はいません。まず地面を整え、基礎を作り、柱を立て、壁を作り、最後に仕上げをします。

ランニングも同じです。

基礎が弱いままスピード練習だけを積み上げても、どこかで崩れます。


まずAレースを決める

ピリオダイゼーションで最初にやるべきことは、Aレースを決めることです。

Aレースとは、その年で最も大切にしたい本命レースです。

すべてのレースで自己ベストを狙うことはできません。

毎回ピークを作ろうとすると、体も心も疲れてしまいます。

まずは、最も結果を出したいレースを一つ決めます。

そこから逆算して、何週間前にベースを作るのか、いつスピードを入れるのか、いつ疲労を抜くのかを考えます。

この「逆算」がないと、練習はその場しのぎになります。

今日頑張ることも大切です。

しかし、本当に大切なのは、レース当日に最高の状態でスタートラインに立つことです。


なぜ最低6か月前から準備するべきなのか

マラソン、ハーフマラソン、10km、5km、どの距離でも、しっかり準備するなら時間が必要です。

私は、本命レースを決めるなら、できれば少なくとも6か月前から準備することを勧めます。

理由はシンプルです。

体はすぐには変わらないからです。

有酸素能力を高めるには時間がかかります。

筋力をつけるにも時間がかかります。

フォームを改善するにも時間がかかります。

レースペースに慣れるにも時間がかかります。

疲労を抜き、ピークを合わせるにも時間が必要です。

直前の2〜3週間で急に頑張っても、体は大きく変わりません。

むしろ、レース直前に頑張りすぎると、疲労だけが残ってしまいます。


体が変わるには最低6週間かかる

生理学的な変化には時間が必要です。

筋肉、心肺機能、ミトコンドリア、神経系、腱や靭帯は、数日で大きく変わるものではありません。

一つの能力を本当に伸ばしたいなら、少なくとも6週間程度の継続した刺激が必要です。

例えば、2週間だけベーストレーニングをしても、十分な有酸素能力は作れません。

2週間だけスピード練習をしても、レースで使えるスピード持久力は完成しません。

体は、繰り返し与えられた刺激に対して少しずつ適応します。

だから、練習は単発で考えるのではなく、ブロックで考える必要があります。

6週間、8週間、10週間という単位で体を変えていく。

これがピリオダイゼーションの基本です。


計画がないとトレーニングは漂流する

計画がないトレーニングは、地図を持たずに旅に出るようなものです。

走っている感覚はあります。

努力している実感もあります。

しかし、どこに向かっているのかが分からなければ、目的地にはたどり着けません。

多くのランナーは、その日の気分で練習を決めます。

調子が良い日は速く走る。

疲れているのに、予定より長く走る。

レースが近づくと不安になって、急に距離や強度を増やす。

これは非常に危険です。

計画があると、今やるべき練習と、今やらなくていい練習が明確になります。

頑張る日もあれば、抑える日もある。

積み上げる時期もあれば、回復する時期もある。

そのメリハリが、最終的なパフォーマンスを作ります。


年間計画の基本構造

基本的な年間計画は、次のように考えると分かりやすいです。

  • ① 土台作り:ベーストレーニング
  • ② 筋力・フォーム作り:ストレングス、ドリル、坂道
  • ③ スピード作り:テンポ走、インターバル、レースペース走
  • ④ レース準備:実戦的な練習、補給、ペース確認
  • ⑤ テーパー:練習量を減らして疲労を抜く
  • ⑥ レース:最高の状態で走る
  • ⑦ 回復期:心身を休ませ、次のサイクルへ進む

この順番が大切です。

ベースがない状態でスピードを入れすぎると、故障やオーバートレーニングのリスクが上がります。

逆に、ベースだけで終わってしまうと、レースで必要なスピードに対応できません。

ピリオダイゼーションは、すべてを一度にやるための方法ではありません。

時期ごとに優先順位を決めるための方法です。


7Pの法則|準備がパフォーマンスを決める

マイクが大切にしている考え方の一つに、7Pの法則があります。

Prior Planning & Preparation Prevents Piss Poor Performance

少し強い言い方ですが、意味はとてもシンプルです。

事前の計画と準備が、悪いパフォーマンスを防ぐということです。

レース当日にできることは、実はそれほど多くありません。

その日に急に心肺機能は上がりません。

その日に急に脚は強くなりません。

その日に急に補給が上手くなるわけでもありません。

レース当日に出る結果は、何か月も前からの準備の積み重ねです。

だからこそ、レース前だけ頑張るのではなく、早い段階から計画を立てる必要があります。


忙しい人ほど計画が必要

仕事、家族、学校、移動、睡眠、食事。

現実の生活では、トレーニングだけを中心に生きることはできません。

だからこそ、忙しい人ほど計画が必要です。

無理な計画は続きません。

週に何時間なら現実的に練習できるのか。

どの日なら長く走れるのか。

どの日なら強い練習ができるのか。

どこで休むのか。

これを最初に考えておくことで、トレーニングは現実的になります。

理想のプランより、続けられるプランの方が価値があります。

一番良いトレーニング計画は、紙の上で完璧な計画ではありません。

あなたの生活の中で実行できる計画です。


まとめ

ピリオダイゼーションとは、目標レースに向けてトレーニングを期間ごとに分け、計画的に体を作る方法です。

  • Aレースを決める
  • 最低6か月前から逆算する
  • 体が変わるには最低6週間必要
  • ベース、スピード、テーパーを順番に組み立てる
  • 計画がないと練習は漂流する
  • 忙しい人ほど現実的な計画が必要

レースで最高の走りをするためには、最後の数週間だけ頑張るのでは遅すぎます。

良い結果は、計画された準備から生まれます。

まずAレースを決め、そこから逆算して、自分に必要なピースを一つずつ埋めていく。

それが、長期的に強くなるための最も確実な方法です。


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この記事を書いたコーチ

Mike Trees(7 x マスターズ世界チャンピオン)

マイクは、長年コーチとして、またトレーナーとして、また選手として活躍してきた。

インスタグラム@run.nrgにて、難しいスポーツ科学を誰にでも分かりやすいようにアプローチして毎日配信している。だれにでも分かりやすいと好評でフォロワー数45万人。

アジアの暑い気候に適した、非常に機能的なコンプレッションウェアとランニングギアを作りたいという希望を持って、セイントと開発しました。

MIKE TREES から一言;
「私はアスリートとして、コーチとして、そしてスポーツ科学者として、常にスポーツに対するホリスティックなアプローチを取り入れてきました。
トレーニングからレース、リカバリー、そして体への燃料補給に至るまで、手を抜かずに取り組んできました。
卓越性を追求する中で、アスリートが最高のパフォーマンスを発揮できるよう、フィット感の高い機能的なスポーツウェアは必須です。
そうして完成したプロジェクトONEのコンプレッション。皆さんも試してください!

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