フックグリップ(Hook Grip)のやり方|痛みを減らしバーベルを安定させる

親指を固定し、クリーン(Clean)とスナッチ(Snatch)の引きを強くする

カテゴリー:ウェイトリフティング|Vol.21

執筆・編集:SA1NT JAPAN編集部

専門監修:板谷友弘(UFIT Tony Coach/CrossFit Uninterrupted オーナー兼ヘッドコーチ)

フックグリップ(Hook Grip)は、親指をバーベルへ巻きつけ、その親指の上から人差し指と中指を重ねて固定する握り方です。

通常の順手よりバーが手の中で回転しにくく、クリーンやスナッチで強く加速しても握りが外れにくくなります。一方で、最初は親指に圧迫感や痛みが出やすいため、軽い重量と少ない回数から段階的に慣らす必要があります。

フックグリップの基本:
親指を指の外側に置くのではなく、先に親指をバーへ巻きつけ、その上を人差し指と中指で押さえます。バーを強く握り潰すのではなく、親指を留め具として使い、バーが指先方向へ転がるのを防ぎます。

目次


フックグリップとは?

フックグリップは、親指をバーの下側へ巻き、その親指を人差し指と中指で押さえる握り方です。親指をバーと指の間に固定することで、バーが手の中から滑り出す方向へ回転するのを抑えます。

握る順番
手のひらをバーへ当てる → 親指をバーへ巻く → 人差し指と中指を親指の上へ重ねる → 薬指と小指でバーを包む → 手首と腕を整える

通常のダブルオーバーハンドグリップ(Double Overhand Grip)では、親指は他の指の外側に置かれます。フックグリップでは親指を指の内側へ入れるため、バーの回転に対して強い固定を作れます。

ただし、フックグリップは親指の筋力だけでバーを支える握りではありません。親指をバーへ巻きつけ、指でその親指を固定することで、手全体を一つの留め具として使います。


クロスフィットにおけるフックグリップの役割と効果

バーが手の中で滑るのを防ぐ

クリーンやスナッチでは、脚と股関節の伸展によってバーを速く加速させます。通常の順手では、バーの回転や遠心力によって指が開き、バーが指先方向へ移動することがあります。フックグリップは親指を固定点として使い、この移動を抑えます。

下半身の力をバーへ伝えやすくする

握りが不安定だと、バーを落とさないように前腕と腕へ過剰な力が入りやすくなります。握りが安定すると、腕を長く保ち、脚と股関節で作った力をバーへ伝えることへ集中しやすくなります。

重い重量で握力が弱点になりにくい

クリーンやスナッチの重量が上がると、脚や背中の力が残っていても、バーを保持できず引きを完了できない場合があります。フックグリップは通常の順手よりバーを保持しやすく、握力だけが先に限界になるのを防ぎます。

毎回同じ引きを再現しやすくする

バーが手の中で動く量が減ると、床から伸展までのバー位置と腕の長さをそろえやすくなります。クリーンやスナッチのように、わずかな軌道の違いがキャッチへ影響する種目では重要です。

強く握りすぎない:
フックグリップは、全力で握り潰す「デスグリップ」ではありません。必要以上に力むと前腕が疲れ、肘が早く曲がり、バーの加速を妨げることがあります。親指を確実に固定しながら、腕は長く保ちます。


TONYコーチ動画|クロスフィットにおけるフックグリップの役割と効果

TONYコーチの動画で、クロスフィットにおいてフックグリップを使う意味と、その効果を確認しましょう。

動画とあわせて確認したいポイント

  • 通常の順手とフックグリップで親指の位置がどう違うか
  • 親指を先にバーへ巻き、その上から指で固定する順番
  • クリーンとスナッチで握りを安定させる必要がある理由
  • バーが手の中で滑ったり回転したりするのを抑える効果
  • 腕と前腕へ余計な力を入れず、下半身の力を伝える考え方
  • 最初の痛みに対して、軽い重量から段階的に慣らすこと

フックグリップの正しいやり方

  1. バーへ近づき、クリーンまたはスナッチに合った手幅を作る
  2. 手のひらをバーへ深く当てる
  3. 親指をバーの下側へ巻きつける
  4. 人差し指と中指を親指の上へ重ねる
  5. 薬指と小指をバーへ自然に巻く
  6. 親指が指の下から抜けない程度に固定する
  7. 手首を大きく折らず、腕を長く伸ばす
  8. バーを軽く引いて、左右の握りが同じか確認する

セットアップの確認ポイント

  • 親指が他の指の外側に出ていない
  • 人差し指と中指が親指を押さえている
  • 親指の先端だけではなく、親指の指節部分を固定している
  • 左右で親指の巻き込み方が大きく違わない
  • 手首を内側へ強く折り込んでいない
  • 肘が曲がらず、腕を長く保てる

バーを握る前に親指を指の下へ無理に押し込むのではなく、最初に親指をバーへ巻きつけ、その親指へ指を重ねます。順番を逆にすると、親指を十分に固定できません。


親指・人差し指・中指の位置

親指

  • バーの下側へできる範囲で深く巻く
  • 親指の先端だけでなく、指の側面をバーへ沿わせる
  • 爪を強く押し潰す位置を避ける
  • 左右で同じ方向へ巻く

人差し指と中指

  • 親指の上から押さえる
  • 親指がバーから外れない程度の圧をかける
  • 指先だけでつままず、指を自然に曲げて固定する
  • 中指を中心に固定し、人差し指を補助として使う

薬指と小指

  • バーを包み、手全体の安定を補助する
  • 親指まで届かなくても問題ない
  • 強く握り込みすぎて前腕を固めない

手の大きさによって、親指へ重ねられる指の本数は異なります。人差し指と中指で固定できれば、薬指まで親指へ重ねる必要はありません。


握る強さと手首の角度

フックグリップは強い握りですが、常に最大の力で握る必要はありません。親指が外れない圧を保ちつつ、肩から手まで余計な力を抜き、腕を長く使います。

床から膝まで

バーと身体の位置を保つため、握りを安定させます。腕は曲げず、バーを手で持ち上げようとしません。

膝上から伸展まで

バーの加速が大きくなるため、親指の固定が重要になります。ただし、前腕を固めて肘を早く曲げないようにします。

ハイハング

手の甲と拳が上を向きすぎると、バーが身体から離れやすくなります。拳をやや下へ向け、腕を長く保ちながらバーを身体の近くへ導きます。

握る強さの目安
バーを落とさないために握り潰すのではなく、親指が指の下から抜けず、腕を長く保てる強さにします。握りが安定しているほど、前腕の力みを減らせます。


クリーンとスナッチで使う理由

クリーン

クリーンでは、床からバーを引き、脚と股関節を伸ばして加速させ、身体をバーの下へ入れて肩で受けます。フックグリップは、加速中にバーが手から滑るのを防ぎ、腕を長く保つ助けになります。

キャッチでは、バーの重さを手で支えるのではなく、肩と上胸部のフロントラックで受けます。そのため、ターンオーバー中に親指を外して握りを緩める選手もいます。

スナッチ

スナッチでは、広い手幅でバーを床から頭上まで一気に運びます。手幅が広く、バーの速度も大きいため、通常の順手では握りが外れやすくなります。フックグリップによってバーを安定させ、伸展前に腕が曲がるのを防ぎます。

CrossFit公式も、クリーンとスナッチのセットアップでフックグリップを基本の握りとして示しています。

関連する基本フォーム:
床から肩までの動作はクリーンのやり方、床から頭上までの動作はスナッチのやり方で詳しく解説しています。


ターンオーバーとキャッチで親指を外す?

ターンオーバー(Turnover)は、伸展後に身体をバーの下へ移動し、クリーンでは肩、スナッチでは頭上でバーを受ける局面です。

引いている間は親指を固定しますが、キャッチへ移るときにフックを緩めたり、親指を指の下から外したりする選手もいます。目的は、肘や手首を素早く受ける位置へ動かすことです。

局面 握りの考え方 確認ポイント
床から伸展まで フックグリップを保つ 親指を固定し、腕を長く保つ
クリーンのターンオーバー 必要に応じて親指を外し、握りを緩める 肘を素早く前へ回し、肩でバーを受ける
クリーンのキャッチ 手はバーを案内し、肩で重量を支える 手首だけに重量を乗せない
ジャーク前 手全体でバーを握り直す 頭上へ押せる手と肘の位置を作る
スナッチのターンオーバー 親指を外す方法と保つ方法の両方がある 握りより、速いターンオーバーと安定した頭上キャッチを優先する

親指を外すことは必須ではありません。フックを保ったまま安定して受けられる場合もあります。重量を下げ、コーチと一緒に自分のターンオーバーへ合う方法を確認します。


フックグリップが痛い原因と慣らし方

フックグリップを始めた直後は、親指への圧迫感や皮膚の違和感が出ることがあります。普段は親指をバーと指の間へ挟まないため、皮膚と組織がまだ圧力に慣れていないことが主な理由です。

痛みが強くなりやすい原因

  • 最初から重い重量を使う
  • 一度に高回数を行う
  • 親指の先端や爪だけを挟む
  • 人差し指と中指で強くつまみすぎる
  • 粗いローレットのバーで反復する
  • 皮膚が乾燥している
  • テープをきつく巻きすぎる

段階的な慣らし方

  1. PVCパイプまたは軽いトレーニングバーで握りを作る
  2. デッドリフト姿勢で5〜10秒保持する
  3. 軽いデッドリフトを3〜5回行う
  4. ハングクリーンプルまたはハングスナッチプルを3回行う
  5. 軽いクリーンまたはスナッチへ進む
  6. 親指の状態を確認しながら、週ごとに回数や重量を増やす

鋭い痛み、しびれ、感覚低下がある場合は続けないでください。
通常の圧迫感と、神経や関節へ負担がかかっている痛みは同じではありません。握りを外して状態を確認し、改善しない場合はコーチや医療専門職へ相談してください。


親指のテーピングとチョーク

テーピング

親指の皮膚を保護するため、ウェイトリフティング用またはアスレチック用のテープを使う方法があります。テープは皮膚とバーの摩擦を減らし、高回数での擦れを抑えます。

  • 親指の関節を完全に動かなくするほど厚く巻かない
  • 血流を妨げない強さで巻く
  • しわや大きな段差を作らない
  • 爪や皮膚の傷へ直接強い圧をかけない
  • トレーニング前に軽い重量で握りを確認する
  • しびれ、冷感、色の変化が出たらすぐに外す

チョーク

チョークは汗を抑えてバーとの摩擦を安定させます。ただし、付けすぎるとチョークが固まり、皮膚との摩擦が増える場合があります。手を乾かすのに必要な量だけ薄く使います。

皮膚の管理

  • 厚くなりすぎた角質を整える
  • 乾燥しすぎないよう保湿する
  • 親指の付け根や指の間に小さな裂け目がないか確認する
  • 皮膚が破れた状態で高回数のフックグリップを続けない

テープは痛みを完全に消すためではなく、皮膚を保護しながら握りへ慣れるための補助です。テープを巻いても鋭い痛みが続く場合は、握り方とトレーニング量を見直します。


手が小さい場合の調整

手が小さい場合でも、薬指まで親指へ重ねる必要はありません。人差し指と中指、または中指を中心に親指を固定できれば、フックグリップを作れます。

調整する順番

  1. 手のひらをバーへ深く当てる
  2. 親指を先端ではなく根元から巻く
  3. 中指を親指へ確実に重ねる
  4. 人差し指で固定を補助する
  5. 手幅を数センチずつ調整し、腕と脚が干渉しない位置を探す
  6. 利用できる場合は、手の大きさに合ったバーをコーチと相談する

指が親指へ届かないからといって、手首を大きく内側へ曲げて補わないようにします。手首の角度を崩すより、親指の巻き方、手のひらの位置、バーの選択を調整します。


よくある間違いと修正方法

間違い 起きていること 修正方法
親指が指の外側にある 通常の順手になっている 先に親指をバーへ巻き、その上から指を重ねる
親指の先端だけを挟む 爪と先端へ圧が集中する 親指をバーへ深く巻き、側面を固定する
人差し指だけで押さえる 親指が外れやすく、指先が疲れる 中指を中心に、人差し指と一緒に固定する
全力で握り潰す 前腕が疲れ、肘が早く曲がる 親指が抜けない強さまで力を緩める
手首を強く曲げる 手首へ負担が集中し、バー軌道が崩れる 手のひらを深く当て、手首を自然な位置へ戻す
重い重量で初めて試す 痛みと恐怖で握りを正しく作れない 軽いプルと保持から段階的に慣らす
キャッチまで強く固定し続ける クリーンの肘が回らず、手首へ負担がかかる ターンオーバーで必要に応じて親指を外し、握りを緩める
高回数で皮膚の状態を無視する 親指や指の間が裂ける 回数を分け、テープと皮膚の状態を確認する

段階的な練習方法

1. フックグリップ・ホールド

空のバーをラックまたは床から持ち、5〜10秒保持します。親指の位置と左右差を確認します。

2. フックグリップ・デッドリフト

軽い重量で3〜5回行い、バーが指先へ移動しない感覚を確認します。腕は曲げません。

3. ハングポジション・ホールド

バーを膝上または太ももの中間で保持し、拳の向き、腕の長さ、バーと身体の距離を確認します。

4. クリーンプル/スナッチプル

キャッチを行わず、床またはハング位置から伸展まで練習します。握りを保ったまま脚と股関節でバーを加速させます。

5. ハングクリーン/ハングスナッチ

短い距離から開始し、伸展後のターンオーバーで握りを緩めるタイミングを確認します。

6. 床からのクリーン/スナッチ

軽い重量で床からキャッチまでつなぎ、毎回同じ親指位置を再現します。

初心者向けの練習量

  • 1回の練習で2〜4種目に絞る
  • 各セット3〜5回程度から始める
  • 親指の痛みが強くなる前に終了する
  • 重量より、毎回同じ握りを作ることを優先する
  • 翌日まで強い痛みやしびれが残る場合は量を減らす

高回数WODでの使い方

WOD(Workout of the Day)でクリーンやスナッチを高回数行う場合、フックグリップは握りを安定させる一方、親指と皮膚へ繰り返し圧力がかかります。

開始前に決めること

  • フックグリップを全回数で使うか
  • 何回ごとにバーを置くか
  • 親指へテープを使うか
  • バーのローレットが強すぎないか
  • 他の種目でも握力を使うか

握りを緩められる局面

  • クリーンを肩で受けたフロントラック
  • スナッチを頭上で安定させた位置
  • バーを下ろす局面
  • ハング位置で短く呼吸を整える場面

すべての局面でフックグリップを最大限に握り続けると、前腕と親指が早く疲れます。バーを加速させる局面では確実に固定し、バーを身体で支えられる局面では必要に応じて力を緩めます。

握力をWOD全体で管理する:
バーベルだけでなく、プルアップやトーズ・トゥ・バーが組み合わされる場合は、グリップファティーグを防ぐ方法も確認してください。

皮膚が裂け始めたら続けないでください。
高回数では親指の付け根や人差し指との間が裂けることがあります。出血や皮膚の剥離が起きた場合は動作を中止し、傷を洗浄して保護します。


デッドリフトでも使うべき?

フックグリップは、デッドリフトや重いプルでも使用できます。ただし、目的によって握りを使い分けます。

目的 握り 考え方
基礎的な握力を鍛える ダブルオーバーハンド 通常の順手で保持できる範囲を伸ばす
クリーン・スナッチの技術練習 フックグリップ 本番と同じ握りを反復する
重いクリーンプル・スナッチプル フックグリップ 握力で引きが止まるのを防ぐ
最大重量に近いデッドリフト フックまたはオルタネイトグリップ 技術、経験、目的に合わせて選ぶ
高回数WOD 重量、皮膚、他種目に合わせて選ぶ 握りの強さだけでなく、皮膚と前腕の疲労も考える

クリーンとスナッチでは左右の手の向きが同じフックグリップを使います。片手を逆手にするオルタネイトグリップは、バーを素早くターンオーバーするウェイトリフティング動作には使用しません。

デッドリフトのフォームと握りの使い分けは、デッドリフトの正しいフォームで詳しく解説しています。


安全上の注意

  • 初回から高重量や高回数で行わない
  • 親指の爪、関節、皮膚へ強い痛みがないか確認する
  • しびれ、感覚低下、冷感、色の変化が出たら握りを外す
  • テープを血流が悪くなるほどきつく巻かない
  • 皮膚が裂けている場合はチョークや汚れへ直接触れさせない
  • バーのローレットと親指の位置を確認する
  • キャッチで手首へ重量を集中させない
  • 重量を増やす前に、親指を外すタイミングと安全なバーの離し方を練習する
  • 高重量ではコーチの監督下で行う

フックグリップの痛みを我慢して重量を増やさないでください。
軽い圧迫感は慣れる過程で生じることがありますが、鋭い痛みやしびれを耐える練習ではありません。握りの位置、テープ、回数、重量を調整してください。


よくある質問

フックグリップはなぜ普通の握りより強いのですか?

親指をバーへ巻き、その親指を人差し指と中指で固定するためです。バーが指先方向へ転がるのを抑え、通常の順手より握りが外れにくくなります。

親指の上には何本の指を重ねますか?

基本は人差し指と中指です。手の大きさによっては中指を中心に固定します。薬指まで親指へ届かなくても問題ありません。

フックグリップは痛いのが普通ですか?

始めた直後は圧迫感や皮膚の違和感が出ることがあります。ただし、鋭い痛み、しびれ、感覚低下は続けるサインではありません。軽い重量と少ない回数から慣らします。

テープを巻けば痛みはなくなりますか?

テープは皮膚の擦れを減らせますが、関節や組織への圧力を完全になくすものではありません。きつく巻かず、握り方とトレーニング量も調整します。

クリーンのキャッチでもフックグリップを保ちますか?

引いている間は保ちますが、ターンオーバーで親指を外し、握りを緩める選手が多くいます。キャッチではバーを肩で支え、ジャーク前に手全体で握り直します。

スナッチのキャッチで親指を外す必要がありますか?

必須ではありません。ターンオーバーを速くするために外す方法がありますが、フックを保ったまま安定して受けられる人もいます。軽い重量で確認してください。

手が小さくてもフックグリップはできますか?

できます。親指を深く巻き、中指と人差し指で固定します。薬指まで届かなくても問題ありません。手首を無理に曲げず、利用できるバーの種類もコーチと相談します。

高回数WODでも毎回フックグリップを使うべきですか?

重量、総回数、皮膚の状態、他の握力種目によって判断します。軽い重量では通常の順手を選ぶ人もいます。フックを使う場合も、バーを身体で支えられる局面では握る力を緩めます。

デッドリフトでもフックグリップを使えますか?

使用できます。重いデッドリフトやウェイトリフティングのプルで握りを安定させられます。一方、基礎的な握力を鍛える目的では通常のダブルオーバーハンドも使います。

親指がしびれた場合はどうすればよいですか?

すぐに握りとテープを外し、感覚が戻るか確認してください。しびれが続く、繰り返す、痛みや色の変化を伴う場合はトレーニングを中止し、医療専門職へ相談してください。


まとめ|親指を固定し、腕を長く使う

  1. フックグリップは親指をバーへ巻き、その上から指で固定する握り
  2. 人差し指と中指で親指を押さえる
  3. バーが手の中で滑ったり回転したりするのを抑える
  4. クリーンとスナッチの引きを安定させる
  5. 腕を長く保ち、脚と股関節の力をバーへ伝えやすくする
  6. 最大の力で握り潰さず、親指が抜けない強さにする
  7. キャッチでは必要に応じて親指を外し、握りを緩める
  8. 最初は軽い重量と少ない回数から慣らす
  9. テープとチョークは適量を使い、皮膚の状態を管理する
  10. 鋭い痛み、しびれ、皮膚の裂けがある場合は中止する

フックグリップは、親指を犠牲にして無理にバーを持つ方法ではありません。親指を固定点として使い、バーの回転を抑えることで、前腕へ過剰に力を入れずに強い引きを作る技術です。

正しい位置で作れば、クリーンとスナッチの握りが安定し、下半身で生み出した力をバーへ伝えやすくなります。重量を増やす前に、軽いプルと保持から始め、毎回同じ握りを再現できるようにしましょう。

次に読む記事

▶ クロスフィット完全ガイド・全51記事を見る

参考動画・参考資料



この記事はSA1NT JAPAN編集部が作成し、CrossFit Uninterruptedヘッドコーチであり、HYROX競技にも挑戦している板谷友弘氏の監修を受けています。

専門監修

板谷友弘(UFIT Tony Coach/CrossFit Uninterrupted オーナー兼ヘッドコーチ)

板谷友弘(いたや ともひろ)氏は、日本を代表するクロスフィットアスリートであり、世界最高峰の舞台であるCrossFit Gamesに出場。2021年にはCrossFit GamesのMen 35–39部門で世界15位。さらに2026年には、40歳以上の世界トップ選手が競うMasters CrossFit GamesのMen 40–44部門に出場し、世界29位を記録しました。2026年、日本人として世界最高峰の舞台に立ったのは彼1人のみです。

また近年はHYROX競技にも積極的に取り組み、本格的なランニング競技経験がない中、HYROX大阪大会では総合3位・日本人選手2位に輝きました。

CrossFit Gamesという世界最高峰の舞台を選手として経験し、現在も現役アスリートとして挑戦を続けながら、世界レベルの競技経験と、CrossFitとHYROXの両方を深く理解する数少ない日本人コーチとして数多くのアスリートを指導してきた経験を活かし、本記事の監修を担当しています。

板谷友弘コーチ UFIT Tony Coach

本記事では、フックグリップの役割、親指と指の位置、握る強さ、クリーンとスナッチでの使い方、ターンオーバー、痛みへの慣らし方、テーピング、高回数WODでの握力管理について専門監修を受けています。

🌐 CrossFit Uninterrupted

Instagramトニーコーチ Instagram YouTubeトニーコーチ YouTube

← メディア一覧に戻る