クロスフィットシューズの選び方|おすすめタイプと避けたいシューズ

走るだけでも、持ち上げるだけでもない。CrossFitのMovementに合った一足を選ぶ

カテゴリー:CrossFit Gear Guide|Vol.2

執筆・編集:SA1NT JAPAN編集部

専門監修:板谷友弘(UFIT Tony Coach/CrossFit Uninterrupted オーナー兼ヘッドコーチ)

CrossFitを始めると最初に迷いやすいのがシューズです。

今持っているランニングシューズでいい?

CrossFit専用シューズは何が違う?

クッションが多い方が脚には優しい?

ウェイトリフティングシューズを買った方がいい?

Runもあるなら、軽いランニングシューズの方がいい?

CrossFitでは、一つのWorkoutの中でまったく性質の違うMovementを組み合わせます。

例えば、

  • Back Squat
  • Deadlift
  • Clean
  • Snatch
  • Burpee
  • Box Jump
  • Double Under
  • 短いRun

などです。

CrossFitシューズに必要なのは、「一つの種目で最高」ではなく、さまざまなMovementを1足で安定して行えること。
特に初心者は、クッション量やブランド名だけではなく、地面を安定して踏めるか、横方向にブレにくいか、短いRunにも対応できるかを見ます。

この記事では、CrossFit公式の考え方とTONYコーチの実践経験をもとに、CrossFitシューズの選び方、ランニングシューズとの違い、おすすめしたいタイプと避けたいタイプを整理します。

目次


CrossFit専用シューズは必要?

CrossFitを始めるために、CrossFit専用シューズが絶対に必要なわけではありません。

CrossFit公式も、最初のクラスでは比較的フラットで安定した運動シューズを推奨しており、最初から専門Gearをすべて購入する必要はないとしています。

つまり、体験クラスへ行くためだけにCrossFitシューズを買う必要はありません。

ただし、CrossFitを継続する場合は話が変わります。

Runだけでなく、Squat、Barbell、Jump、Burpeeなどを頻繁に行うため、それらを組み合わせて行いやすいTraining Shoeのメリットが出てきます。

TONYコーチPOINT|継続するなら最初にシューズ
TONYコーチは、CrossFit初心者が最初に購入を検討したいGearとしてシューズを挙げています。CrossFitではランニング専用の動きだけでなく、SquatやWeightliftingなど地面をしっかり踏みたいMovementが多いためです。

専用Gearを最初から全部揃える必要はありませんが、CrossFitを週に何度も行うようになったら、シューズは使用頻度が非常に高いGearになります。


CrossFitシューズとランニングシューズの違い

一番大きな違いは、設計の目的です。

ランニングシューズは基本的に、前へ走り続けるMovementを中心に作られています。

一方CrossFitでは、前に進むだけではありません。

Squatする。Barbellを床から持ち上げる。横方向へ動く。ジャンプする。Burpeeをする。

そしてRunする。

そのためTraining Shoeには、Runだけに最適化するよりも、複数方向へのMovementとWeightliftingの安定性のバランスが求められます。

CrossFit向けTraining Shoe 一般的なRunning Shoe
主な目的 複数のMovement 前方向へのRunning
ソール 比較的フラット・安定 クッション性を重視するモデルが多い
横方向の安定 重視される モデルによる
Weightlifting 比較的行いやすい 柔らかいモデルでは不安定になることがある
長距離Run 専用Running Shoeほど得意ではない 得意

CrossFitシューズは「走れるWeightlifting Shoe」ではなく、「持ち上げる・跳ぶ・走るを一足で行うためのTraining Shoe」と考えると分かりやすいです。


選ぶときに見る5つのポイント

ブランド名より先に、次の5つを確認します。

  1. 比較的フラットで安定している
  2. 横方向にも安定している
  3. 足指が窮屈すぎない
  4. 前足部がある程度曲がる
  5. 短いRunにも対応できる

CrossFit公式も初心者向けFootwearとして、「flat」「stable」という特徴を明確に挙げています。


① 比較的フラットで安定している

CrossFitシューズでまず重要なのが足元の安定性です。

例えばBack Squatをするとき、柔らかいクッションの上に立っている状態と、硬く安定した床の上に立っている状態では感覚が違います。

DeadliftやSquatでは、足で床を押した力を身体へ伝えます。

このときソールが大きく沈んだり左右へ揺れたりすると、足元が不安定になりやすくなります。

TONYコーチPOINT|ソールが比較的フラットな理由
TONYコーチはCrossFitシューズの特徴として、ソールが比較的フラットであることを挙げています。CrossFitにはRunもありますが、それ以上にSquatやWeightliftingなど、しっかり地面を踏んで安定して動きたいMovementが多いためです。

ただし、「完全に薄くて硬ければ良い」という意味ではありません。

CrossFitにはRunやJumpもあるため、安定性だけでなくある程度のクッション性も必要です。


② 横方向にも安定している

Runningは主に前方向へのMovementです。

CrossFitではそれだけではありません。

Burpee、Lunge、Box Jump、Shuttle Run、Weightliftingなど、足へさまざまな方向から力が加わります。

そのため、シューズの中で足が大きく横へずれないことも重要です。

Heel CupやMidfoot部分で足を保持しやすい構造は、こうしたMovementで安定感につながります。

現在のNike Metcon 10でも、メーカーはHeel CupやMidfoot Bandを使って足を固定し、Heavy Liftの安定性を高める設計を特徴として挙げています。


③ 足指が窮屈すぎない

足幅も重要です。

CrossFitではSquatやWeightliftingのとき、足裏全体で床を捉えます。

そのため、つま先が極端に圧迫されて足指を使いにくいシューズは、本人に合わない場合があります。

一方で、大きすぎてシューズの中で足が動くのも問題です。

「幅広ブランドだから良い」「細身だから悪い」ではありません。
自分の足型に合い、Squatしても足指や小趾側が強く圧迫されず、かつHeelが大きく浮かないサイズを選びます。


④ 前足部は動きやすい

安定性が重要だからといって、靴全体が板のように硬ければ良いわけではありません。

CrossFitでは、

  • Burpee
  • Box Jump
  • Double Under
  • Lunge
  • Run

などで前足部を曲げます。

そのためHeel周辺は安定しつつ、前足部にはある程度の柔軟性があるタイプが、さまざまなMovementへ対応しやすくなります。

現在のNike Metcon 10も、Heavy Lift向けの安定性に加えて、前足部のFlex Grooveによる可動性を組み合わせています。


⑤ 短いRunにも対応できる

CrossFitでは、

400m Run。

800m Run。

1km Run。

Shuttle Run。

といったRunningがWODへ入ることがあります。

CrossFit用シューズはRunning専用シューズほど柔らかくなくても、こうした短〜中距離をある程度走れることが必要です。

ここがWeightlifting Shoeとの大きな違いでもあります。

CrossFitシューズは「一番Squatしやすい靴」ではなく、「Squatしたあと、そのままBurpeeして走れる靴」。


CrossFitで避けたいシューズ

では、CrossFitであまりおすすめしにくいのはどんなシューズでしょうか。

① 非常に厚く柔らかいRunning Shoe

最大クッション系のランニングシューズはRunningには快適でも、Heavy SquatやDeadliftではソールが沈み、足元が不安定に感じる場合があります。

特にBarbellが中心の日には向かないことがあります。

② ソールが極端に高いシューズ

足と床の距離が大きくなり、横方向への安定感が低いタイプは、JumpやWeightliftingを組み合わせるCrossFitでは使いにくい場合があります。

③ Lifestyle Sneaker

普段履き用のSneakerは、CrossFitで繰り返すJump、Lateral Movement、Weightliftingなどを前提に設計されていないものがあります。

見た目ではなくTraining用途かを確認します。

④ 長距離専用レーシングシューズ

Carbon Plateを使った厚底Race Shoeなどは長距離Runningでは大きなメリットがある一方、Barbell、Burpee、Box Jumpなどを組み合わせる一般的なCrossFit WODの万能シューズではありません。

「良いシューズ」と「CrossFitに向いているシューズ」は同じではありません。
優秀なマラソンシューズでもCrossFitには向かないことがありますし、優秀なWeightlifting Shoeも長いRunには向きません。


ランニングシューズが向いているWODもある

ここは重要です。

CrossFitだから、必ずCrossFitシューズで全Workoutを行わなければならないわけではありません。

例えば、

  • 5km Run
  • 長いRunning Interval
  • Runが大半を占めるWorkout

なら、Running Shoeを選ぶ方が適切な場合があります。

反対に、

400m Run+Deadlift+Box Jump

のようなMixed Modal WODなら、CrossFit向けTraining Shoeの方がバランスを取りやすくなります。

種目名が「CrossFit」だからシューズを決めるのではなく、その日のWODを見てシューズを決める。


ウェイトリフティングシューズとの違い

CrossFitを続けると、Weightlifting Shoeを履いている人も見るようになります。

これはCrossFit Shoeとは別のGearです。

Weightlifting Shoeは一般に、

  • 硬く安定したソール
  • 高めのHeel
  • 足を固定する構造

を持ち、SquatやOlympic Weightliftingに特化しています。

Heelが高いことで足関節の可動域を補いやすく、深いSquat Positionを作りやすい人もいます。

その一方、BurpeeやRunを大量に行うための靴ではありません。

CrossFit Shoe Weightlifting Shoe
Squat ○〜◎
Olympic Lift ○〜◎
Burpee
Box Jump
Run ×〜△
Mixed WOD

初心者が最初の一足として選ぶなら、一般的にはWeightlifting専用よりCrossFit向けTraining Shoeの方が使えるWODの範囲が広くなります。


代表的なCrossFit向けシューズ

CrossFitやファンクショナルフィットネス向けのTraining Shoeは複数メーカーから販売されています。

TONYコーチの動画では、代表的なシリーズとして、

  • Nike Metcon
  • Reebok Nano
  • NOBULL Training Shoe

などを紹介しています。

ただし、この動画は過去に制作されたものなので、現在の商品ラインナップやモデル番号は変わっています。

例えば2026年8月現在、NikeではMetcon 10が販売されており、メーカーはHeavy Lift時の安定性、Grip、前足部のMobilityなどを特徴として挙げています。

ブランドではなく「モデル」を見る。
同じメーカーでもWeightlifting寄り、Running寄り、柔軟性を重視したモデルなどがあります。ブランド名だけでCrossFit向けと判断しないようにしましょう。


サイズ・足幅の選び方

CrossFit Shoeは、普段履きのサイズだけでネット購入すると合わないことがあります。

確認したいのは、

  • つま先に適度な余裕がある
  • Squatしても足指が強く圧迫されない
  • Heelが大きく浮かない
  • Lateral Movementで足が靴の中を滑らない
  • 甲が強く圧迫されない

ことです。

メーカーやモデルが変わると、同じサイズ表記でもWidthやMidfootの保持感が変わることがあります。

可能であれば試着して、

  • Air Squat
  • Lunge
  • 軽いJump
  • つま先立ち

などをしてみると分かりやすくなります。

TONYコーチPOINT|足幅も選ぶ基準
TONYコーチも、ブランドやモデルによって幅の感覚が異なることを指摘しています。足幅が広い人と細い人で履きやすいモデルは変わるので、「有名だから」ではなく自分の足に合うものを選びます。


初心者なら最初の1足はどう選ぶ?

初めて買うなら、極端な特徴を持ったシューズより万能型がおすすめです。

具体的には、

  • 比較的フラット
  • Heelが安定している
  • 横方向へブレにくい
  • 前足部はある程度曲がる
  • 400〜800m程度のRunも大きな問題なくできる
  • 自分の足幅に合っている

タイプです。

そこからCrossFitを続けていくと、

「自分はWeightliftingが多い」

「Runが得意だからRun WOD用も欲しい」

「CompetitionではLifting Shoeと使い分けたい」

など、自分に必要な2足目が分かってきます。

1足目は万能型。2足目から自分の得意・不得意・WODに合わせて特化させる。


よくある質問

CrossFitに専用シューズは必須ですか?

必須ではありません。CrossFit公式も最初のクラスでは比較的フラットで安定した運動シューズで参加できるとしています。ただし継続してSquat、Barbell、Jump、Runなどを行うなら、CrossFit向けTraining Shoeは使いやすい選択肢です。

ランニングシューズでCrossFitをしてもいいですか?

できますが、厚く柔らかいモデルではHeavy SquatやDeadliftの際に足元が不安定に感じる場合があります。Run中心の日とBarbellを組み合わせる日で使い分ける方法もあります。

CrossFitシューズはなぜフラットなのですか?

SquatやDeadlift、Weightliftingなどで地面へ安定して力を伝えやすくするためです。ただし完全な薄底ではなく、RunやJumpへ対応するために適度なクッションや前足部の柔軟性も持たせたモデルが多くあります。

厚底ランニングシューズはCrossFitに向きませんか?

Run中心のWorkoutなら適している場合があります。一方、Heavy Barbellや横方向のMovementが多いMixed WODでは、柔らかく高いソールが不安定に感じることがあります。

Weightlifting Shoeを最初に買った方がいいですか?

通常は必要ありません。Weightlifting ShoeはSquatやOlympic Liftには適していますが、RunやBurpee、Box Jumpなどには向きにくいため、初心者の最初の1足ならCrossFit向けTraining Shoeの方が幅広く使えます。

CrossFitシューズで走れますか?

短〜中距離Runningを含むWODへ対応するよう作られたモデルが多くあります。ただし長距離RunではRunning Shoeの方が快適な場合があります。

足幅が広い場合はどう選べばいいですか?

ブランド名ではなく実際のToe BoxとMidfootの幅を確認してください。Squatしたときに足指が強く圧迫されず、同時にHeelが浮いたり足が中で滑ったりしないサイズを選びます。

CrossFitシューズは何足必要ですか?

初心者は万能型1足で十分です。Trainingが進み、Running中心、Weightlifting中心、Competitionなど目的が明確になってから必要に応じて使い分けます。


まとめ|「安定して持ち上げられて、動けて、走れる」一足を選ぶ

  1. CrossFit専用シューズは初回から必須ではない
  2. 継続するなら最初に検討したいGearの一つ
  3. 比較的フラットで安定したソールを選ぶ
  4. 横方向への安定性も見る
  5. 自分の足幅に合っていることが重要
  6. 前足部にはある程度の柔軟性が必要
  7. 短いRunにも対応できるタイプが使いやすい
  8. 非常に厚く柔らかいRunning ShoeはBarbell WODでは不安定になることがある
  9. Running中心の日はRunning Shoeを使ってもよい
  10. Weightlifting ShoeはCrossFit Shoeとは役割が違う
  11. 初心者の1足目は万能型がおすすめ
  12. ブランドだけではなくモデルと自分の足型で選ぶ

CrossFitでは、1時間の中でまったく違うMovementを行います。

持ち上げる。しゃがむ。跳ぶ。走る。

そのすべてを完璧にこなすシューズはありません。

だからこそ、最初の一足では一つの能力へ極端に特化するより、複数のMovementを安定して行えるバランスを重視します。

「一番クッションがある」「一番硬い」ではなく、自分がCrossFitで行うMovementを一番安定して繰り返せるシューズ。それが自分に合ったCrossFitシューズです。

CrossFit Gearを詳しく見る

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参考資料

※ シューズのモデル、仕様、販売状況は変更されます。本記事で挙げるブランドやモデルは選び方を説明するための例であり、特定製品がすべての人に適していることを保証するものではありません。


本記事はSA1NT JAPAN編集部が企画・調査・執筆し、CrossFit Uninterruptedのオーナー兼ヘッドコーチである板谷友弘氏の専門監修を受けて作成しています。

専門監修

板谷友弘(UFIT Tony Coach/CrossFit Uninterrupted オーナー兼ヘッドコーチ)

板谷友弘(いたや ともひろ)氏は、日本を代表するクロスフィットアスリートであり、世界最高峰の舞台であるCrossFit Gamesに2度出場しています。

2021年にはCrossFit Games Men 35–39部門で世界15位。2026年にはMasters CrossFit Games Men 40–44部門へ出場し、世界29位を記録しました。

世界トップレベルのCompetitionを選手として経験する一方、CrossFit Uninterruptedのオーナー兼ヘッドコーチとして、初心者から競技者まで幅広く指導しています。

またHYROXにも取り組み、CrossFitだけに限定されない総合的なFitnessと競技経験を活かして、本記事を監修しています。

板谷友弘コーチ UFIT Tony Coach

TONYコーチポイント:

CrossFitを続けるなら、最初に買うGearとしてシューズはおすすめです。RunningだけならRunning Shoeがありますが、CrossFitではSquatやWeightlifting、Burpee、Jumpなども同じWorkoutで行います。なのでソールが比較的フラットで安定していて、しっかり地面を踏めるものが使いやすいです。ただ、メーカーによって幅や履き心地も違います。足幅が広い人、細い人でも合うモデルは変わりますし、Runningが多い人とWeightliftingが多い人でも選び方は変わります。最初の1足はできるだけいろいろなMovementに対応できるものを選んで、Trainingを続けながら自分に必要な特徴を見つけていくといいと思います。

トニーコーチの情報はこちらから↓
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